道教育大附属旭川小が校内研究授業 説明文の構造や特徴理解 3年国語 田中教諭の授業公開(学校 2021-02-18付)
ロイロノートで説明文を分類する児童
【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(南部正人校長)は1月下旬、同校で校内研究授業を開いた。田中里彩教諭による3年生の国語「図や写真と文章を、むすびつけて読もう」を公開。既習の説明文の「終わり」の書かれ方に着目して比較・分類する学習を通じ、文章の構造や特徴を理解させる授業を展開した。
研究主題に「探究する子供を育てる教育活動の創造」を掲げる同校。昨年10月からことし3月にかけて、対象を市内小学校教職員に限定し13の研究授業の公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、校内や関係者のみの参観となった。
1月下旬には田中教諭による3年2組の国語を公開。同校教諭のほか、道教育大学旭川校の林崎俊一学校臨床教授と共同研究者の渥美伸彦准教授が参観した。
国語では、研究主題を「自らの学びに明確な目的意識をもつ言語活動を通して、活用できる言葉の力を育てる国語科の学習」と設定。大小様々な問いと共に進む単元構成・問いを生む工夫や、ふかんできる既習教材の提示、評価規準と指導の手立ての具体化などを研究の視点に据えている。
授業は、7時間扱いの6時間目。本時の目標を「既習の説明文と比較し、分類することを通して、説明文の構造や特徴について考えたり、気づいたりすることができる」と設定した。
本時の課題「“終わり”に注目していろいろな説明文を比べてみよう」を提示した上で、既習の説明文をふかんできる8種類のカードと思考ツールを1人1台の端末に配布。児童は分類項目を各自で考えながら、終わりの書かれ方を読み比べてロイロノート上で分類した。
隣と見比べたあと、アプリ上で考えを提出して全体交流。ほかの児童の考えが画面に共有されると「同じ分け方だ」「似ているけれど少し違う」との声が上がるなど、自分と比べて考えを深める様子がみられた。
比較・分類を通して「“終わり”があるものと、ないものがある」などと気付き、書かれ方に種類があることを知った児童たち。「これまで意識して読んだことがなかった」との声が聞かれるなど、説明文の構造や特徴に気付き、既習の説明文を新たな視点でとらえ直す姿がみられた。
授業後の研究協議では、参観者が「既習の説明文を活用して比較させる活動のねらい」について質問。田中教諭は「文章の構造や特徴に着目して読む経験をさせるため、全体をふかんできる形での教材文の提示の仕方を工夫するとともに、既習の教材を引用し、比較しながら書き方の違いを考えさせる展開を工夫した」と答えた。
その他の意見では、「比較・分類する際の視点を明確にした上で考えさせる必要があるのでは」「ねらいや活動の内容に応じて、紙とタブレットのどちらを使うと効果的か明確にする必要がある」「説明文を読む際に何に注目すればよいか、という方法を知恵に変えることができたところに、本時の提案の価値があると思う」などの声が上がった。
共同研究者の渥美准教授は「既習を振り返り、既習を活用しながら学習する力」の育成の重要性を伝えた上で、授業のねらいや意義について説明。今回の授業の構築に当たっては「教育課程全体を見通し、指導事項の系統性を意識することが必要」と話した。
(学校 2021-02-18付)
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