全国高校生料理選手権2020 三笠高が見事全国優勝 地産地消やSDGs意識(学校 2021-02-24付)
築地さん(左)と関本さん
【岩見沢発】三笠高校(鈴木浩校長)調理部3年生の築地涼風さん、関本優奈さんは2月上旬、オンライン開催の「うまいっしょ北海道全国高校生料理選手権2020」で見事優勝を果たした。地産地消にこだわり、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した料理が高く評価された。築地さんは「優勝を目指して練習してきたので、その成果を出せて良かった」、関本さんは「リモートでの大会となったことが少し心残りだが、卒業前に最高の思い出ができてうれしい」と話していた。
大会は、食のプロを目指す高校生、料理に情熱を注ぐ高校生たちが集い、2人1チームで日々の成果を発表するもの。北海道、日本の食文化を守るため、食の素晴らしさを伝える人材を育成することを目的としている。
全国高校生食のコンクール実行委員会が主催し、道や道教委などが後援した。
募集テーマは「○○○を感じる“一汁三菜”」(○○○は自由設定)。全国24校74チームの応募の中から、同校のほか、清水高校(北海道)、宮城県水産高校、三重県立相可高校、京都府福知山淑徳高校、京都府洛星高校、福岡県立三井高校、長崎県向陽高校の計8チームが書類審査を通過し本選に出場した。
当初、三笠高校生レストラン「MIKASA COOKING ESSOR」のキッチンスタジアムを会場に実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で出場校をオンラインでつないで実施。審査を通過した料理を手元に用意し、食材選定のポイントやレシピの内容などをプレゼンテーションする形式で行った。
三笠高の築地さんと関本さんのチーム「Northern girls」は、テーマに「北の大地の過去と未来を感じる一汁三菜」を掲げた献立「あなたの心に北海道~幸せな未来を求めて」を紹介。
「土鍋で炊く三笠の美味しい白ご飯」「三色しんじょう~三笠の歴史と大地の記憶」「生姜香るラムすき焼き」「鮭まんじゅうの味噌仕立て~ちゃんちゃん焼き風」「梅ぇ、白和え」を調理した。
2人は、地産地消を意識し、石狩市の鮭や美唄市のアスパラ羊肉(廃棄されるアスパラの根本を餌に飼育された羊の肉)、三笠市のほうれん草、梅干し、豆腐など地元食材をふんだんに使用し、北海道の過去と未来を表した献立としたことを伝え「これからの北海道の未来も料理を通して考えてほしい」と訴えた。
えび、ゆり根、カボチャのしんじょうで三笠市独特の垂直地層を表現したことなどを紹介し、「カボチャとゆり根のほくほく感、海老のプリッとした食感が感じられる」とアピール。鮭まんじゅうは、郷土料理のちゃんちゃん焼きを新しい形で味わってもらうために考案したことを話した。
また、SDGsの観点から、大量廃棄されていたアスパラの根元を羊に食べさせ、排出されるフンなどを畑の肥料にするという環境に配慮した生産方法を実践している農家の羊を使用したことを伝えた。
その上で、「これからの時代を担う私たちが少しでも地球環境に優しい食材を選んでいけたらきっと幸せな未来が待っているはず」と、将来への思いを語った。
審査の結果、Northern girlsが優勝。築地さんは「優勝を目指して練習してきたので、その成果を出せて良かった。辛いこともあったが、コンクールに出たことによって料理の知識や考え方を学ぶことが出来たので挑戦して良かった」と。関本さんは「審査員の方に是非食べていただきたかったので、リモートでの大会となったことが少し心残りだが、卒業前に最高の思い出ができてうれしい」と話していた。
全国大会入賞高・チーム名はつぎのとおり
▽優勝=三笠高「Northern girls」
▽準優勝=三重県立相可高「伊勢のピリカル」
▽審査員特別賞=長崎県向陽高「脳内オ花畑」
▽敢闘賞=清水高「のどかなアジア旅行チーム」、宮城県水産高「WK」、京都府洛星高「洛星高校料理研究部」、京都府福知山淑徳高「しゅくとくAチーム」、福岡県立三井高「三井高校スイーツ部」
(学校 2021-02-24付)
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