石狩市3年度教育行政執行方針 オンライン指導体制構築 浜益区教育環境 検討開始へ
(市町村 2021-02-19付)

石狩市教委佐々木隆哉
石狩市教委・佐々木隆哉教育長

 石狩市教委の佐々木隆哉教育長は、17日の第1回市議会定例会で令和3年度教育行政執行方針を説明した。臨時休業に対応できるオンライン指導体制の構築へ準備作業を進めるほか、教員に対するICT活用能力向上に向けて支援を進める意向を表明。学校施設では、浜益区におけるより良い教育環境の在り方について検討を始める考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼新しい社会で生きる力の育成

 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、確かな学力の育成のため、「基礎的・基本的な知識および技能の習得」「個に応じた指導の充実」「言語活動の充実」「学習習慣の確立」の4点を念頭に、教育課程の実施状況に基づく改善などを通して教育活動の質を向上させ、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントの確立を図る。

 3年度からGIGAスクール構想による1人1台端末の本格的な活用が始まる。電子黒板とデジタル教科書の効果的な活用とともに児童生徒の学びの保障を支えるため、感染症による臨時休業にも対応できるオンライン指導の構築に向けた準備作業を進める。併せて、教員のICT活用能力向上への支援を行う。

 このほか、情報モラルや情報手段の基本的な操作技能などの習得も含めたトータルな情報活用能力を育成する中で、プログラミング的思考の育成を図る。

 対面での協働的な学びが制限される中、ICTの活用で主体的・対話的で深い学びの視点を生かした授業改善が学校の創意工夫で進められることを期待している。

 また、エキスパートサポーターや外部指導者を効果的に配置した指導体制の充実を図るとともに、「学力の1校1プラン」の取組を継続しながら、学習内容の定着を一層確かなものとするよう努める。

 特別支援教育については、南線小学校に通級指導教室を開設するほか、特別支援教育支援員の適切な配置など、体制を充実させながらきめ細かな支援を行っていく。一人ひとりのニーズに応じた途切れのない一貫した支援を行うため、就学前からの教育相談の実施や、個別の教育支援計画および個別の指導計画の活用、研修によって、教員の専門性の向上を図る。

 外国語教育については、外国語指導助手(ALT)を活用して外国の言語や文化への理解を深めながら、積極的にコミュニケーションを図る態度の育成に努める。

▼学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進

 家庭教育支援を充実させるため、子育てに不安や悩みをもつ保護者のサポートに市長部局と連携しながら引き続き取り組むほか、あい風寺子屋事業による放課後の学習支援、中学校の試験期間に合わせて小学校の家庭学習強化週間を設定するなど、家庭学習時間や生活規律等の小中連携の取組を継続する。

 子どもたちの基本的な生活習慣の定着を図るため、いしかりふれあいDAYや生活リズムチェックシートを活用し、規則正しい生活とテレビ、ゲーム等の使用に関する家庭でのルールづくりに取り組んでいただいているが、特にスマートフォン等の使用については、保護者、児童生徒が共に「ネットの危険を理解した上で上手に活用する」という意識をしっかりもつことが大切となる。

 コミュニティ・スクールの仕組みを通して、こうした取組の議論ができるよう、提案していく。

 感染症の影響による家計への影響が懸念されるが、就学援助による経済的支援を柔軟に行うほか、生活困窮等を要因とした学習支援のニーズへの対応や補充学習の充実、スクールソーシャルワーカーと家庭生活支援員による教育と福祉が連携した支援を継続して進める。

▼学びをつなぐ学校づくり

 現在、同一中学校区内の小学校と中学校は、「中1ギャップの解消」「学びの連続性による学力向上」をテーマに連携した取組を進めている。幼児期の学びと育ちを義務教育へとスムーズにつなぐため、各小学校が策定するスタートカリキュラムの確実な実施と不断の見直しによって、幼児期から中学校段階までを見通した教育を進める。

 また、先行した厚田学園、石狩八幡小学校に引き続き、3年度には市内全校でコミュニティ・スクールをスタートさせ、地域と連携・協働しながら教育活動を展開する開かれた教育課程の推進を図っていく。

 3年度以降、老朽化が進んだ学校施設の改修は、長寿命化計画に基づいて進めていくが、まずは花川南中学校の校舎改修に向けた設計を行う。また、浜益区の子どもたちのより良い教育環境の在り方について、検討を始める。

 教員の働き方改革は、「校務の効率化や専門スタッフ等の配置による環境整備」「部活動指導の負担軽減」「勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実」「市教委のサポート体制の充実」という4つの柱で進めてきた。現行の推進計画が2年度をもって終了することから、取組の検証結果を次期計画に反映し、引き続き教員の長時間勤務解消に向けて取り組む。

(市町村 2021-02-19付)

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