札幌市教委　公立夜間中学設置基本計画　修業年限「上限原則６年」　意見踏まえ修正　市民周知へ

（札幌市 2021-03-31付）

　札幌市教委は、令和４年４月に開校する公立夜間中学の設置にかかる基本計画を策定した。２月上旬に実施したパブリックコメントの意見を反映。修業年限の表記について、「最長６年」と明記していたものを「在籍上限原則６年」に修正した。市教委は今後、当該基本計画に基づき、公立夜間中学の開校準備に向けた取組を進め、様々な機会を通して市民へ周知していく考えだ。

　市教委は、２月上旬から３月上旬にかけて公立夜間中学の開校に向け、市公立夜間中学設置基本計画案へのパブリックコメントを実施。校名案の応募も含めて２３６人から寄せられた４４４件の意見を踏まえ、２９日の教育委員会会議で基本計画を決定した。

　寄せられたパブリックコメントをみると「入学対象に“全日制の公立中学校に通っている生徒も学びを希望すれば入学可能”や“満１５歳以下の人の入学について、今後の検討課題とする”という言葉を入れてほしい」との意見が挙がった。

　これに対して、市教委は「公立夜間中学において、学年期の生徒を入学対象とする場合は、不登校特例校の指定を受ける必要がある。すでに札幌市で実施している施策と兼ね合いを整理した上で、その効果や影響等を検討する必要があるため、現在の基本計画の段階で学齢期の生徒に関することまで言及することは難しい」と回答した。

　また「入学者それぞれの事情が異なることから修業年限を最長６年と固定するのではなく、６年を目途にしながら生徒の学習の習熟度、意欲、年齢も加味し、柔軟に対応してほしい」「個々人の特別な事情による場合を想定し、校長判断によって年限延長が可能であることを加えてほしい」との声も上がった。

　これについて市教委は「公立夜間中学、社会生活等の経験がある学齢期を過ぎた人が週５日、毎日通う学校であり、小学校の学び直しから始めたとしても、最大６年間で義務教育学校９年間の学びを終えることができる」とし、「最大６年という目標をもった上で計画的に学びに向き合うことが望ましい」との考えを示した。

　理由の一切を問わず、６年をもって機械的に退学とすることを意図しているものではないため、「最長６年」から「在籍上限原則６年」に表現を修正した。

　決定した基本計画の内容、パブリックコメントで寄せられた意見と市の考え方は、４月下旬を目途に市ホームページで公開する予定だ。

(札幌市 2021-03-31付)