１定札幌市議会予算特別委員会　相談窓口開設を検討　困難抱える若年女性支援

（札幌市 2021-03-31付）

　札幌市子ども未来局の山本真司子ども育成部長は、次年度開始の困難を抱える若年女性支援事業について、インターネット上の投稿や繁華街の巡回等によって、悩みを抱える女性の声を拾い上げるなど、積極的な支援に取り組んでいく方針を示した。女性支援に取り組むＮＰＯ法人に事業を委託し、雑談など気軽に話ができるような相談窓口の開設も検討。問題を未然に防止し、早期発見に努めていく。

　２６日の１定市議会予算特別委員会で、藤田稔人委員（自民党）、水上美華委員（民主市民連合）の質問に答えた。

　市は令和元年６月死亡事例にかかる検証報告書の提言を踏まえ、支援事業の実施を検討。

　今後の施策等に生かすため、昨年、市内に居住する１５～２９歳の女性を対象に、日ごろの悩みなど生活状況に関するアンケート調査と高校中退や家出経験がある女性４人に対するヒアリング調査を実施した。

　実態調査から、思春期・若年期の女性が困難を抱える背景に家庭環境や心身の問題、対人関係の不安定さなどが挙げられることや、自身の身近な問題ほど誰にも相談できない傾向にあることが判明。

　山本子ども育成部長は調査結果から、「困難を抱える対象者は困っているという意識が薄いものの、常に不安を抱えており、自己否定感が強い」と分析。相談相手や頼れる人がいないという回答が一定程度の割合みられたほか、相談の手段に公的窓口を選ぶ人が少ないことが明らかとなった。

　今後の取組方針として、学校、児童相談所、女性への支援に取り組むＮＰＯなど様々な機関が支援に当たる必要性を強調。公的機関と民間団体で構成する関係機関連絡会議を設置し、庁内外で密接に連携することで、支援のネットワークの構築に取り組んでいくとした。

　また、ＮＰＯ等の女性支援団体に委託し、ＳＮＳを用いた呼びかけ、インターネット上で気になる投稿をしている人へのアプローチ、繁華街の巡回による声掛けなど積極的な支援に努めていくとした。

　さらに、世間話などから悩みを拾い上げられるよう、従来とは異なる形態の相談窓口の開設を検討。より効果的な支援方法を検討していく意向を示した。

(札幌市 2021-03-31付)