札幌市子どもアシストセンター相談件数　２月末で２９８９件　最多は学校生活　コロナも

（札幌市 2021-04-06付）

　札幌市子どもの権利救済機関（＝子どもアシストセンター）は、昨年４月からことし２月末までの相談件数をまとめた。実人数８４８人から２９８９件の相談が寄せられた。うち通話アプリＬＩＮＥによる相談件数は７６４件。相談内容は学校生活に関する相談が最も多く、一斉臨時休業期間中の昨年５～６月ころには新型コロナウイルス感染症を不安視する内容の相談も寄せられた。センターは今後も認知度向上に向け、取組を推進していく。

　子どもアシストセンターは平成２１年設立。いじめや体罰などといった権利侵害に悩んでいる子どもに対し、迅速かつ適切な救済を行うことを目的にメールや電話、面談で相談に応じている。

　対象は、市内に居住する１８歳未満の子どもで、高校在学中であれば１９歳も受け付けている。また、子どもに関する相談であれば大人からの相談も可能としている。

　３０年度と令和元年度には、夏季・冬季の期間限定でLINEによる相談事業を試行的に実施。有用性が確認できたことから、昨年４月からＬＩＮＥ相談も開始した。

　昨年４月からことし２月末までの相談件数は、８４８人から２９８９件。問題解決のため、センターが調整活動を行う調整件数は１７件だった。

　うち、ＬＩＮＥによる相談件数は７６４件。内訳は中学生が最も多く、４２７件、次いで高校生が２３９件、小学生が５６件、その他が４２件だった。

　センターによると、相談内容は、学校生活に関する相談が多くを占めており、新型コロナウイルス感染症の流行によって臨時休業となった５～６月の期間は、感染症に対する不安の声などが寄せられたという。学年が上がり、クラス替えなどがある４～５月には、環境の変化についての相談も寄せられた。

　現在、LINEの利用者情報に関する問題を受け、事業を休止中。事業化から約１年が経過したLINE相談について、センターは「認知度の向上が課題」とし、事業再開次第、周知に向けて取組を推進していくとしている。

(札幌市 2021-04-06付)