鹿追町３年度教育行政執行方針　鹿追高に公設塾設置　小中一貫充実へ教員採用

（市町村 2021-04-12付）

鹿追町教委・大井和行教育長

　【帯広発】鹿追町教委の大井和行教育長は令和３年度教育行政執行方針において、小学校高学年において、教科担任制を導入するための教員と、連携型中高一貫校の乗り入れ授業や研修機会等を拡充するための教員を採用するとした。鹿追高校への支援として公設塾を設置する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校力向上・学力向上

　学校教育においては、令和の日本型学校教育の構築に向け、ICTを活用した授業実践を充実させるため、iPadを小中高すべての児童生徒および教員に貸与するとともに、新学習指導要領の着実な実施に向け、主体的・対話的で深い学びの視点を大切にした組織的な授業改善を図り、学力向上に取り組む。

　教員が子どもの習熟を把握したり、思考を確認したりし、子どもが自ら見通しを立て、自ら学習の状況を把握し、主体的に学習を調整したりすることができるよう、ICTを日常的に活用できるアプリケーションを小・中学校に導入し、令和の日本型学校教育の姿である「個別最適な学び」「協働的な学び」を推進する。

　新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等による臨時休業中であっても学びを止めることのないよう、学校や町民ホール等の教育施設のWi―Fiを充実させるとともに、就学援助世帯を対象にWi―Fiルータを貸し出し、学びの保障を実現する。

　言語能力の育成については、小学５年生から中学２年生までの児童生徒を対象に、iPadを活用した言語能力を育成するアプリケーションを導入する。

　２年度、町一貫教育学校運営協議会が新たに始まったことから、３年度はコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進に向けた取組を充実させるため、地域学校協働本部を発足させるとともに、地域学校協働活動推進員を配置し、地域とともにある学校づくりの実現に向けた体制整備に取り組む。

　特別な教育的支援を必要とする児童生徒や不登校の児童生徒に対して、就学相談や学びの場の検討等への支援や、集団生活への適応や情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善などのための相談を行う町教育支援センターを設置するとともに、スクールカウンセラーの派遣を２年度に引き続き倍増し、相談体制を拡充する。

▼鹿追高校支援

　１０年後・２０年後の鹿追町を見据えた人材育成の取組を支援するため、鹿追高生のキャリア形成と自己実現を目指すための公設塾を開設するとともに、１年生のカナダ短期留学については、昨年留学できなかった新２年生と共に実施するなど、町内の最高学府を引き続き支援していく。

▼一貫教育

　小中高１２年間を見通した教育課程と、それを支える指導体制の構築が必要であることから、心身が発達し抽象的な学習に移行する小学校高学年について、教科担任制を導入するための教員と、連携型中高一貫校の乗り入れ授業や研修機会等を拡充するための教員を採用し、児童生徒の発達段階を踏まえ、学年間・学校間の円滑な接続を実現する。

　一貫教育公開研究会を実施し、幼小中高の教員の意見交換を通じて、学力観や授業観などを一貫したものとすることで、地域の実情を踏まえた教育課程の改善・充実を図る。

　国立教育政策研究所の教育課程実践検証協力校に鹿追小学校と鹿追中学校が選定されたことから、学習指導に関する実践やICTを利用した教育データの提供を通じ、教員の指導力向上に努めるとともに、教職員支援機構の研修・セミナーの派遣や大学院派遣、日本人学校派遣など、教職員のキャリアアップを支援する。

(市町村 2021-04-12付)