札幌市 まなびのサポート事業 2年度利用率5.5%に 感染症対策など要因に過去最低
(札幌市 2021-04-16付)

表
札幌まなびのサポート事業実施状況(クリックすると拡大表示されます)

 札幌市は、生活保護・就学援助世帯の中学生を対象に学習支援や居場所の提供などを行う札幌まなびのサポート事業の過去5年間における実施状況をまとめた。生活保護世帯、就学援助世帯を合わせた令和2年度の利用者数は446人で、対象者数に占める利用率は5・5%。新型コロナウイルス感染症対策で家庭訪問を制限したことなどもあり、過去5年間で最も低い数値となった。平成27年度から過去5年間の高校等への進学率は元年度で99・3%と、5年連続で全国の数値を上回った。

 国は、平成30年10月の生活困窮者自立支援法改正に伴い、令和元年10月から生活困窮世帯における子どもを支援する子どもの学習支援事業を、子どもの学習・生活支援事業に拡充。従来の学習支援に加え、生活習慣・育成環境の改善に関する助言を行うほか、高校生世代に対する教育・就労(進路選択等)に関する情報提供、助言、関係機関との連絡調整などに取り組むこととした。

 市は、平成24年度から学習に不安を抱える生活保護・就学援助を受けている世帯の中学生を対象に、まなびのサポート事業を開始。市内全区に学習教室を開設し、主に児童会館で週1回、2時間程度、大学生ボランティアなどの支援によって学習習慣の定着を図るとともに、年に1~2回程度、野外でのレクリエーションを実施するなど、子どもが安心して過ごすことのできる居場所を提供している。

 2年度の利用人数は、生活保護世帯、就学援助世帯を合わせた8101人のうち5・5%に当たる446人と、過去5年間で最も少なかった。特に、生活保護世帯における利用率は下降傾向にあり、2年度は4・8%と、5%を割り込んだ。市は、新型コロナウイルス感染症の影響で事業開始に遅れが出たことや、これまで、生活保護世帯に対し市のケースワーカーが家庭訪問で事業周知していたものを、感染症対策の観点から訪問回数を制限したことを、利用率低下の要因とみている。

 生活保護世帯における参加者の進学状況については、4年連続全国の進学率を上回っており、令和元年度は99・3%だった。

 過去5年間の事業参加者の高校進学状況はつぎのとおり(カッコ内%は全国の進学率、元年度は未集計)。

▽平成27年度=100%(93・3%)

▽28年度=100%(93・6%)

▽29年度=100%(93・7%)

▽30年度=100%(94・0%)

▽令和元年度=99・3%

(札幌市 2021-04-16付)

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