全道代表高校長研究協議会 道教委所管事項④  服務規律保持の徹底要請 実効性高い働き方改革推進
(道・道教委 2021-05-12付)

④表
教育行政Bの実施状況等①(クリックすると拡大表示されます)

◆教職員育成課

【令和3年度道教職員研修計画の策定】

 道教委は、教育公務員特例法に基づき、ことし3月に3年度道教職員研修計画を策定し、3年3月30日付教環第1080号「3年度道教職員研修計画の策定について」によって、各学校にお知らせした。

 研修計画は、2年度道教職員研修計画に基づいて実施した教職員研修の効果にかかわる評価・検証を行い、現状・課題等を明らかにし、重点的な取組等の見直しを行うなどして策定した。

 学校においては、研修計画を活用し、教職員一人ひとりの資質・能力の向上に向け、キャリアステージなどに応じた基本研修や教育課題研修、専門研修への計画的な参加、OJTなどを通じて日常的に学び合う校内研修(メンター研修)の推進などに取り組むようお願いする。

◆総務課

【北海道行政職員採用試験(教育行政B)の受験促進】=表参照=

【教職員の服務規律の保持】

 教職員の服務規律の保持については、従来から機会あるごとに注意を喚起してきた。

 令和2年度においては、懲戒処分件数が48件と前年度と比べ減少した。各学校の日ごろの取組の成果があったものと認識している。しかしながら、わいせつ行為等による職員の逮捕事案が相次いで発生し、生徒を預かる立場である道教委として極めて遺憾。

 ことし3月の処分としては、SNSを通じて知り合った18歳未満の女性に現金を供与して性行為などを行ったことから懲戒免職とした事案、18歳の女子生徒を抱きしめたことが不適切な身体接触行為等に当たるとして停職2ヵ月とし、その事実を把握しながら道教委へ報告しなかった所属長を減給1ヵ月とした事案、ことし2月に発生した飲酒運転を事故発生後速やかに管理職員に報告していなかったことで停職5ヵ月とした事案等があり、極めて憂慮すべき状況。

 飲酒運転について、ことし3月に発覚した事案を受け、3年3月10日付け教総第3264号で通知を発出した。管理職員によるリーダーシップのもと、「飲酒運転根絶道民宣言」に率先して取り組むよう指導するなど、より一層の危機感をもって飲酒運転根絶にかかる取組を徹底していただきたい。

 不祥事防止について、ことし3月に、リーフレット『自分の「心」を見つめてますか?~不祥事防止研修資料』を作成し、各学校に配布した。引き続き、校内研修や個別面談など機会あるごとに活用いただくようお願いする。

 学校教育は、児童生徒や保護者、地域住民との信頼関係の上に成り立つもの。児童生徒の教育に直接従事する教職員には、一般の公務員に比べてより高い倫理観が求められている。全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行すべき責務を負っている。教職員を指導監督する立場にある管理職による不祥事は絶対に起こさないよう、自らを厳しく律するとともに、年度当初に実施する人事評価にかかる個人面談の場を活用するなど、教職員一人ひとりに強い自覚を促す指導を徹底し、不祥事の未然防止と服務規律の保持に万全を期していただきたい。

◆教育政策課

【道立学校ふるさと応援事業】

 令和元年9月から開始した本事業については、道教委としても初めての取組として、試行錯誤しながら進めてきた。学校においても、同窓会への協力依頼やPR動画の作成など、協力をいただいている。

 寄付受け入れの実績については、元年度は363万9000円、2年度は1808万3000円、合計で2172万2000円をいただいた。前年度までに事業計画を公表した学校75校のうち、目標額を達成するなどして事業に着手できた学校は3校にとどまっており、寄付の確保に向けたさらなる取組の実施に加え、学校の実施計画について寄付の状況等に応じた見直し等も必要と考えている。

 今後は、学校で実施しているPR活動の好事例などを収集させていただく。寄付額に応じた実施計画への見直しや、PRの方法などについても学校ごとに個別に打ち合わせを行いたいと考えている。協力いただきたい。

◆社会教育課

【道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)】(新規)

 本事業は、地域と学校との連携・協働体制を整備し、活動を通じて「まち・ひと・しごと」と「学び」とのつながりづくりに貢献できるような取組を実施するものであり、地域創生の取組といえる。

 道内を4圏域に分け、圏域ごとに研究指定校(推進校1校、連携校1校)を指定し、当該指定校に地域コーディネーターを配置することで、高校と自治体や産業界をつなぎ、地域課題探究型のキャリア教育を推進する。

 事業を推進するに当たり、研究指定校ごとに、地域コーディネーターをはじめ、研究指定校校長、自治体の担当者、振興局職員、企業・経済団体関係者、NPO、大学等の研究機関、保護者、道教委職員で構成するコンソーシアムを構築する。

 地域創生に向けた高校の果たす役割や、コンソーシアムの構築にかかる研究実践の発表および協議を行うため、地学協働活動地域フォーラムを指定期間(3~5年度)中、年1回ずつ開催するとともに、最終年度(令和5年度)に「全道地学協働活動研究大会」を開催し、研究成果の共有を図る。

 コミュニティ・スクールや地域学校協働活動など、学びと地域づくりが一体となったプロジェクトを支援するため、道教委の社会教育主事が、事業の研究指定校以外の高校にも巡回訪問する。理解、協力をお願いする。

【道立青少年体験活動支援施設ネイパル】

▼宿泊利用定員

令和3年1月6日付け教生第1237号通知のとおり、本道における新型コロナウイルスの感染状況等から、3年度においても、各ネイパルの宿泊利用定員を引き続き「概ね100人以下」としている。

 4年度の利用受付については、令和4年4月以降の感染状況等を現時点で予測し宿泊利用定員を決定することは困難であることから、3年4月1日以降は、通常定員の200人で予約を受け付けているので、利用予約等の詳細については、各ネイパルに問い合わせいただきたい。

▼利用促進および事業への参加奨励

 各校の宿泊研修や勉強合宿等での利用のほか、地域の青少年リーダーを養成することを目的とするジュニアリーダーコースや高校生のコミュニケーション能力を高めることを目的とする生徒会フォーラムなど、ネイパルが主催する事業について、参加奨励をお願いしたい。

◆文化財・博物館課

【世界遺産および縄文遺跡群についての学習資料『北海道の縄文遺跡』】

 北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産への登録審査はことし夏に行われる予定。

 世界遺産登録を見据え、将来その保護を担う児童生徒に世界遺産および北海道の縄文遺跡について理解を深めてもらうため、CD―ROM付き冊子形態の学習資料を作成し、2年度末に各校へ配布した。

 各市町村教委等が実施している縄文遺跡に関する教育事業についての情報も収録した。授業だけではなく、課外活動の企画等にも活用をお願いしたい。

文化財・博物館課は、高校教育課と連携して、学習資料の活用にかかる各校からの相談に対応していきたいと考えている。

◆教職員課

【学校職員の勤務時間にかかる制度改正】

 時間外勤務の縮減を図る観点などから、修学旅行の引率業務等に従事する道立学校職員の勤務時間の割振り等に関する要領の一部を改正し、ことし4月から「校外での実習・学習活動に関する打ち合わせ等業務」を新たに対象業務に加えた。当該要領改正に併せて質疑応答集も改正し、また、制度の周知を図るためのリーフレットも送付した。有効活用に努めていただきたい。

 ことし4月から1年単位の変形労働時間制が活用可能となった。これまで作成した説明動画やリーフレットなどを活用し正しく制度を理解していただくほか、制度は、職員と十分話し合った上で個々の事情をよく酌み取り、共通認識をもって活用されるものであることについて留意いただきたい。

【適切な在校等時間の把握・記録など】

 「道立学校出退勤管理システムについて」(令和2年3月31日付教職第2924号通知)で通知しているが、所属職員に対し、在校等時間の把握の趣旨などについてあらためて周知いただくとともに、形式的に上限時間の範囲内とすることが目的化し、実際の時間より短い虚偽の時間を記録してはならないことについて指導を徹底していただきたい。

【ハラスメントの防止など】

 職員がその能力を十分に発揮できる良好な執務環境の実現のためには、各種のハラスメントの防止に取り組むことが極めて重要。ハラスメント防止に関する指針を踏まえ、自らの言動や所属職員の言動が、セクハラ、パワハラ、マタハラに該当しないかどうか十分に注意を払い、未然防止に努めていただきたい。

 特に、パワハラについては、過去には、道立学校の管理職における懲戒処分事例があるほか、昨今、パワハラに該当するのでないかとされる事例や、職員の自尊心を傷つけるような不適切な指導に関する事例もあることから、パワハラや行き過ぎた指導とならないよう注意していただきたい。

【学校における働き方改革】

 学校における働き方改革については、これまでのアクション・プランの取組を継承しつつ、新たな取組を加えるなどした新たなアクション・プラン(第2期)を策定し、周知した。

 各学校においては、アクション・プラン(第2期)に基づく取組、特に学校における働き方改革手引『Road』を活用した業務改善に取り組んでいただきたい。

 教育指導監とも連携を図り、学校経営指導の重点にも位置付けて、働き方改革に関する取組状況についてしっかり把握する予定。

 働き方改革の取組を積極的に行い、好事例の展開を図ることで、実効性の高い働き方改革につなげることを目的とした働き方改革推進事業について、対象校として公募校長校が該当になる。3年度は2年度の4校から2校増え、6校となっている。対象校については、積極的な取組をお願いするとともに、好事例の情報発信についてもお願いしたい。

 また、推進校ではない学校も含め、すべての学校・職員から働き方改革に関する取組事例や業務効率化のヒント、授業づくりでの工夫などを簡便な方法で募集できる仕組みを構築し、収集のうえ周知していきたい。協力をお願いする。手引第5章の見直しの観点例のような事例を想定している。

【部活動】

▼「道立学校にかかる部活動の方針」に定める休養日等の弾力的な設定

 本年度の弾力的な設定の申請については、令和3年1月28日付事務連絡をすでに発送した。

 各学校においては、弾力的な設定が当たり前にならないよう、原則にのっとった活動を検討していただきたい。

 なお、弾力的な設定にかかる要件として、対象部活動の顧問である教員の部活動にかかわらない日を週2日以上設けることとしている点に留意いただきたい。

▼部活動指導員の配置

 部活動指導員の配置については、過日配置決定を行い、通知した。

 部活動指導員が指導に当たる場合には、可能な限り単独で指導する、複数の顧問を配置している場合には、いずれかの顧問に代わって部活動指導員が指導するなどし、顧問の部活動指導に携わる時間の軽減に努めるようお願いする。

 部活動指導員に対しては、任用時に当課から送付した資料を用いて研修を確実に実施し、教育局が開催する部活動指導力等向上研修への参加を促していただきたい。2年度は新型コロナウイルス感染症対策のため実施しなかったが、事業の効果を検証するため、在校等時間に関する調査を実施する予定であることに留意願う。

◆教職員事務課

【へき地等学校の級別指定の見直し】

 すでに各学校には、令和3年3月30日付教事第4812号「へき地等学校の指定に係る申請調書等について」で通知している。へき地等学校の級別指定の見直しについては、へき地手当に関する規則で概ね6年ごとに行うことと定められている。前回の見直しから6年目となる3年度に、現行基準に基づき見直し作業を行う。

 今後、10月を目途に教職員事務課から人事委員会に申請を行い、4年度当初人事異動に間に合うよう12月に人事委員会の級別指定の告示を受け、4年1月から施行される予定である。

 道立学校は、6月末までをめどに点数算定作業、7月に教職員事務課宛に関係書類の提出していただく予定。

◆道立教育研究所

【組織機構の改正】

 道立教育研究所は、建物の耐用年数の関係から、令和5年度に新しい場所へ移管する予定である。そのため、現在、道研の在り方検討委員会で、場所、内容を含め検討中で、3年度末には結論が出ることになっている。検討に伴い、できることから改革に着手する。3年度組織機構を改正する。

 企画・研修部を「研修部」に、研究・相談部を「研究部」に改める。また、附属情報処理教育センター長は研究部長が兼職、附属理科教育センター長は研修部長が兼職する。

「研修」と「研究」の業務にかかる体制強化を図り、本道の教育課題や現場ニーズに戦略的・機動的に対応し、組織としての総合力を一層発揮できる体制の構築をねらう。

【研修事業】

▼3年度道研研修講座

 2年度、新しい研修様式として、「集合型研修」「分散型研修」「ウェブ会議システムを活用した遠隔研修」「オンデマンド研修」「紙上研修」を企画し、実施した。3年度はこれらを効果的に組み合わせた講座を企画・運営し、より一層の研修の質的向上を図っていく。

 学校経営にかかる研修講座については、校長を対象とする校長の学校経営力向上研修を2講座実施する。1つは、人材育成を柱とした学校経営の在り方、もう1つは、組織力を高める校長としてのリーダーシップの在り方をテーマとする講座。

 また、副校長・教頭を対象とする研修講座も2講座実施する。1つは、副校長・教頭とミドルリーダーが連携した学校運営の在り方について理解を深めることをねらいとする副校長・教頭とミドルリーダーで行う組織力向上研修、もう1つは、教頭が行う人材育成と組織的な課題解決の在り方について理解を深めることをねらいとする教頭の学校経営力向上研修。いずれの研修講座についても、集合型研修と遠隔研修を組み合わせた複合型研修。

 教育課程にかかる研修講座としては、カリキュラム・マネジメント実践研修を実施する。札幌市立を除く公立高校のすべての教務主任を対象としており、3年度は、空知、石狩、渡島、檜山の4管内で実施予定である。

 関係教育局と連携して実施する。対象となる4管内の教務主任の参加について配慮をお願いする。

 また、本年度も、副校長・教頭を対象とした「総合的な探究の時間」充実研修を実施する。

 教科教育・情報教育にかかる研修講座については、コンピューターや情報通信ネットワークなどを適切に活用し、学習活動の充実や授業展開の工夫に向けた理解を深め、自校の取組の改善・充実を図ることをねらいとしたICTを活用した授業づくり研修を本年度新たに実施する。

▼管内高校教科指導力向上研修講座

 学習指導要領改訂の趣旨を踏まえた授業改善につながる教科指導力向上や、教科担当者相互の継続的なネットワークづくりに資することを目的として実施する。

 特に、教職経験年数の少ない教員の割合が高く、距離的な要因によって、道研主催の集合型研修をはじめ、各種研修会への参加機会が少ない管内等において、積極的な活用をお願いする。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、所員の派遣のみならず、遠隔システムを活用したリモートでの実施も可能である。

▼理科における観察・実験の実践基礎講座

 2年度、小・中学校教員を対象にした観察・実験の実践基礎講座を、全道2管内の高校で実施した。

 3年度は、全道7管内の高校等を会場として実施する予定。

【研究事業】

 道研では、本道における学校教育の喫緊の課題の解決を図る実践的な研究を推進しており、研究成果等を道研ホームページに掲載している。元年度および2年度におけるプロジェクト研究については、紹介動画もアップしている。各学校における教育活動の改善・充実に積極的に活用いただきたい。

 2年度からは、これからの教育に必要な課題を全所的に研究するため、所内共通のテーマ「“未来の教育”の在り方に関する研究」を設定し、研究の推進に当たっている。

 現在、国が推進しているGIGAスクール構想の実現にも大きくかかわる研究内容となっている。共通テーマに関連して設定した研究内容ごとにA~Dの4つのグループをつくり、研究を進めている。

 特に、資料「R3研究事業『全体コンセプト』」にあるプロジェクト研究A~Dにおいて、下線を引いている部分が、3年度の重点研究事項となる。

 3年度も道研は、研究成果等の情報発信および道内外の先進的な取組の情報収集を図るなど、施策提案やシンクタンクとしての役割を果たす。各学校のGIGAスクール構想の実現に向けた授業改善につながる研究推進に努めていく。(連載おわり)

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⑤表
教育行政Bの実施状況等②(クリックすると拡大表示されます)

(道・道教委 2021-05-12付)

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