道、道教委 4年度文教施策・予算に関する要望 働き方改革へ組織強化を 遠隔授業配信で教員加配要請
(道・道教委 2021-05-14付)

 道、道教委の令和4年度国の文教施策および予算に関する提案・要望(4月26日付1面既報)の概要はつぎのとおり。

◆重点要望事項

▼学校における感染症対策の充実

 本道の各学校においては、文部科学省が定める衛生管理マニュアルに基づき、感染防止策を講じながら学校教育活動を実施している。新型コロナウイルス感染症への対応の継続が想定される中、学校における感染症対策と教育活動の保障のためには、今後も引き続き、必要な経費にかかる国の財政措置が不可欠である。

▽学校における感染症対策や教育活動保障のための財政措置の継続

▼「令和の日本型学校教育」の構築に向けた学校教育施策の充実

 Society5・0時代の到来など社会構造の変化や、感染症・災害等の発生をも乗り越えて発展し、すべての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びを実現する「令和の日本型学校教育」の構築を目指す旨の答申が中央教育審議会から示されたところであり、実現に向けた財政措置や制度的措置が不可欠である。

▽「令和の日本型学校教育」の構築に向けた財政措置および制度的措置

▼学力・体力向上に向けた施策の充実

 本道では、児童生徒の学力・体力を全国平均以上にするという目標を掲げ、授業改善に関する調査研究事業の実施など、各種施策に取り組んでおり、当該目標を実現するため、これらの施策のさらなる充実と学校の指導体制の強化が必要である。

▽学力・体力向上に効果的な教育課程の編成や指導方法の開発・実践等のための調査研究事業に対する財政措置の拡充

▽学力・体力向上のための積極的な取組を行う地域に対する財政措置および人的支援の拡充

▽新たな定数改善計画の早期策定による教職員定数の改善・充実および指導方法の工夫改善、加配の拡充

▼公立学校の教職員定数の改善・充実

 新しい時代の学びの環境の整備や、学校における働き方改革の推進、複雑化・困難化する教育課題への対応を図り、すべての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、新たな定数改善計画を早期に策定し、着実に実施するなど、教職員定数の一層の改善・充実とともに、地域事情を踏まえた加配措置が必要である。

▽新しい時代の学びの環境の整備

▽学校における働き方改革の推進

▽特別支援教育の一層の充実に向けた定数措置の拡充

▽広域分散型で小規模な学校が多い北海道の地域事情を踏まえた、地域の課題を解決するための加配措置への配慮および定数措置の拡充

・小規模中学校における免許外教科担任を解消するための定数措置の拡充

・統合校や過疎地小規模校の支援のための定数措置の拡充

・小学校の複式学級にかかる学級編制標準の引き下げおよび中学校の複式学級解消のための定数改善

・高校における小規模校の定数措置の拡充

▽複雑化・困難化する教育課題への対応

・通級指導、外国人児童生徒等日本語指導、初任者研修にかかる加配定数の基礎定数化の着実な推進と地域事情を踏まえた加配措置への配慮

・いじめ・不登校等への対応、貧困等に起因する学力課題の解消など現代的な教育課題への対応の充実を図るための定数措置の拡充

・都道府県・市町村独自の教育施策と連動した定数措置の新設

・高校における多科目開設のための加配など多様な教育の展開を行うための定数措置の拡充

・養護教諭の全校配置、複数配置校にかかる定数措置の拡充、高校通信制課程への養護教諭の定数措置の新設

・食に関する指導と学校給食の管理の充実のため、栄養教諭の定数措置の拡充

・小・中学校の事務職員や、共同学校事務体制に対する定数措置の拡充

・児童自立支援施設に併設される学校に対する教諭、事務職員等の定数措置の新設

・学校図書館機能の充実のための標準法による司書教諭および学校司書の定数措置の新設

・小中一貫および中高一貫教育校に対する定数措置の充実

・単位制高校に対する定数措置の充実

▼教育の情報化を推進する施策の強化

 高度情報化の著しい進展の中、広域分散型の地理的特性を有する本道において教育の機会均等と教育水準の維持向上を実現するためには、情報通信技術の活用が不可欠である。遠隔授業やGIGAスクール構想の実現などICT施策の一層の強化や、国の整備目標を確実に実現するため、財政措置の充実・強化と適切な配分が必要である。

▽広域分散型の地理的特性を考慮した普通地方交付税の配分額の適正化

▽遠隔授業の実施条件の緩和、配信機能の集中化に伴う教員加配の新設

▽児童生徒1人1台端末の更新、校外通信ネットワークの高速大容量化、高校の全生徒1人1台端末環境の整備、家庭の通信費の恒久的な軽減策

▽ICT支援員の法令上の位置付けの明確化、校務支援システムの導入促進

▽授業目的公衆送信補償金をすべて国庫補助とする制度の創設

▼学校施設の耐震化等の整備促進

 本道では、いまだ耐震補強が完了していない老朽化した校舎など、安全面での不安を抱え、機能面が不十分な学校施設の整備を早急に進めていくことが喫緊の課題となっていることから、児童生徒等の安全・安心な学習・生活環境の確保に向けた施策を確実に実施する必要がある。

 特に、本道の私立学校の耐震化が全国的にも低水準にとどまっていることを踏まえ、必要な財源を確保するとともに、学校法人の経営状況等にも配慮し、助成制度を拡充するなど、教育環境の整備を早急に進める必要がある。

▽私立学校における施設整備

・私立学校施設の耐震化の促進に向けた助成制度の拡充

▽公立学校における施設整備

・自治体が計画しているすべて事業(学校体育施設の整備事業を含む)の実施に必要な財源の確保および早期採択や補助単価の引き上げ

・老朽化対策、児童生徒の生命・安全にかかわる学校施設の非構造部材を含む耐震化、津波対策および特別支援学校の教室不足解消等に関する補助率の嵩上げ措置の期限延長および補助要件の緩和、地方財政措置の充実・継続や、安全・安心な学校施設環境の在り方に関する検討の推進

・高校や特別支援学校における多様な教育内容に対応した施設・設備の整備を進めるため、補助率の嵩上げや地方交付税による財源措置等の支援の充実

▼学校における働き方改革の推進

 本道では、教員が健康でやりがいをもって勤務しながら教育の質を高めることのできる環境づくりに向けて、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」を策定し、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置、学校閉庁日の設定等の取組を進めており、より一層、教員が本来担うべき業務に専念できるよう、学校の組織運営体制の強化が必要である。

▽副校長や主幹教諭をはじめ、教育の質向上のための小学校専科指導の拡充など、学校の組織運営体制の強化にかかる定数措置の拡充

▽学習指導員、スクール・サポート・スタッフ、部活動指導員、ICT支援員など外部人材を活用するための事業の充実

▽校務支援システムの導入促進

▽教員の在宅勤務の在り方に関する検討

▽大会等の統廃合に関する中央競技団体への要請

▽学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の推進

◆一般要望

▼幼児教育の推進体制の充実

 本道では、幼児教育の質の向上に向けて、道幼児教育振興基本方針の策定や幼児教育推進センターの設置によって推進体制の整備を進めてきており、令和元年度からは、国の幼児教育推進体制の充実・活用強化事業を活用し、幼児教育のさらなる充実を図るため、各種施策に取り組んでいる。

 広域分散型の本道において、4年度以降も引き続き幼児教育施設に対する助言および研修機会の一層の充実など、幼児教育の振興のための施策を着実に進めていくため、継続的な財政措置が必要である。

▽幼児教育の推進体制にかかる財政措置の拡充

▼北方領土やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の充実

 本道では、地理的、歴史的、社会的な状況から、わが国固有の領土である北方領土やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の充実に取り組んでおり、児童生徒が北方領土やアイヌの人たちの歴史・文化等に対する関心を高め、正しい認識を深めるためには、学習指導要領等への記述の充実を図るとともに、教員研修の項目に取り上げるなど施策の充実が必要である。

▽北方領土やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の充実に向けた支援

・学習指導要領および解説への「北方領土」「アイヌの人たちの歴史・文化等」に関する記述の充実

・初任段階教員研修における北方領土に関する学習やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の研修の充実

▼道徳教育の充実

 小・中学校において、「特別の教科 道徳(以下、道徳科)」が全面実施となり、本道では、道徳科を要とした学校の教育活動全体を通じた道徳教育の改善・充実にかかる各種施策に取り組んでおり、児童生徒の発達の段階に応じた道徳性を養うためには、道徳教育における計画的・発展的な指導の改善に向けた施策の一層の充実が必要である。

▽道徳教育における計画的・発展的な指導を実現するための条件整備

・指導方法の改善に向けた教員研修の充実のための財源措置

・児童生徒の発達の段階に応じた独自教材の作成に向けた支援

▼安全・安心な学校給食を提供するための施策の充実

 本道では、築30年以上経過している学校給食施設が55%を占めており、老朽化が進んでいることから、学校給食施設設備の整備・改善にかかる施策の充実が必要である。

 また、本道では、食育の充実のため、特別支援学校高等部にも栄養教諭を配置しているが、現状では国の財政支援がないことから、栄養教諭の配置に対する財源措置の充実が必要である。

▽学校給食施設設備の充実

▽学校給食用物資にかかる補助制度等の充実

▽学校給食の安全確保のための施策の充実

▽特別支援学校高等部の栄養教諭の給与費に対する財政措置の実施

▼スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の充実

 本道では、理科・数学教育の重点校を指定して実践研究に取り組んでおり、次代を担う科学技術系などの人材育成や国際社会で活躍できる優秀な人材育成を一層進めるためには、先駆的な研究開発等を行うSSHの道内における指定校数を拡充するとともに、その支援を充実させる必要がある。特に、理数教育の充実については、外部指導者の導入や設備の整備などを一層充実させる必要がある。

▽高校の特色ある取組を支援するため、制度の充実

・SSH事業の一層の充実

▽新学習指導要領の円滑な実施を図るための制度の充実

・観察実験アシスタントの充実

・理科の観察・実験指導等の指導力の向上を図る事業の実施

・理科教育等設備にかかる施策の充実

▼障がいのある幼児児童生徒への特別支援教育の推進

 本道においては、障がいのある幼児児童生徒への教育の充実に向け、各種施策に取り組んでいるが、広域性や地理的条件等によって、特別支援学校の通学にかかるスクールバス運行経費の増加や、特別支援教育支援員の不足、看護師配置にかかる制度の整備、へき地校に勤務する教員の研修機会の不足などの課題があることから、個別の教育的ニーズに応じた指導や支援を適切に行うため、特別支援教育の施策の一層の充実が必要である。

▽特別支援教育総合推進事業および学校運営に必要な財源措置の拡充

▽高校における特別支援教育の充実(通級による指導を十分に行うことのできる加配措置、特別支援教育に関する教員の専門性の向上)

▽医療的ケアを行う看護師の学校教育法等への位置付け、配置基準の制度の新設および配置のための財源措置の拡充

▽特別支援教育支援員の配置に対する財源措置の充実やスクールバス等運行経費にかかる財源措置の改善・拡充および特別支援教育就学奨励費負担金等の制度充実

▼国際理解教育の充実

 本道では、急速なグローバル化の進展に対応するため、授業改善や指導力・英語力の向上に向けた教員研修など、高校卒業段階において英語で少なくとも日常的なコミュニケーションができる英語力の向上等に取り組んでいる。

 学習指導要領の改訂に伴う小学校の英語教育の教科化や、中学校や高校における英語教育の高度化に対応するために、こうした施策の一層の充実を図るとともに、意欲ある若者が海外に留学するための施策のさらなる充実を図る必要がある。

▽教員の指導力・英語力の向上に向けた支援

・教員研修の充実

・外部資格取得への支援

▽小学校英語教育の早期化・教科化に対応するための条件整備

・加配教員等を活用した専科指導教員の拡充

・外国語活動に関する教材の無償配布の継続

▽中学生および高校生の英語力の向上に向けた支援

▽グローバル人材を育成するための施策の充実

・若者の海外留学への支援の充実と継続

・地方公共団体が実施するイングリッシュキャンプの充実のための財源措置

▼外国青年招致事業の充実

 本道では、これまで多くの外国語指導助手(ALT)を招致し、学校における英語の授業や放課後の活動等に活用するとともに、地域住民等との交流などを通して、学校や地域における外国語教育および国際理解教育の充実を図っており、国際化、グローバル化が進展する中、国際社会に貢献できる人材育成をより一層進めていくためには、外国語指導助手の配置や効果的な活用等に関する施策の充実が必要である。

▽外国青年招致事業(JETプログラム)の継続および拡充

▼いじめ・不登校などの児童生徒の生徒指導上の諸課題に対応する施策の充実

 本道では、いじめ・不登校など多様化・複雑化する児童生徒の生徒指導上の諸課題への対応に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等の各種施策に取り組んでいるが、依然として、いじめに苦しむ児童生徒がおり、不登校児童生徒数が増加傾向にあるなど、憂慮すべき状況が続いていることから、学校の教育相談体制や地域における支援体制を一層充実させる必要がある。

▽スクールカウンセラー等活用事業およびスクールソーシャルワーカー活用事業の充実および児童生徒支援加配の拡充

▽いじめ対策・不登校支援等推進事業の充実

▽教育支援センター(適応指導教室)の設置・運営にかかる補助制度(委託事業を含む)の継続や教員の派遣制度の確立などによる支援体制の強化

▽24時間子供SOSダイヤルの電話相談員の人件費・研修に要する経費および通信費の全額国費による財源措置

▽SNSを活用した相談体制の一元化

▼児童生徒のインターネット利用にかかる施策の推進

 本道では、児童生徒が正しく安全にインターネットを利用できる環境整備に向け、各種施策に取り組んでいるが、児童生徒による犯罪被害につながる恐れのある個人情報の公開や他の児童生徒の誹謗中傷などのネット上のいじめ、児童生徒の福祉犯被害やネット依存が依然として憂慮すべき状況であることを踏まえ、インターネット利用にかかる施策の推進が必要である。

▽SNSにおけるグループトークなど、ネットパトロールのような従来の方法では監視できない個人間の閉鎖的な空間におけるトラブル防止対策の確立

▽青少年インターネット環境整備法によるフィルタリングサービスの提供義務の対象範囲の拡大

▽インターネットを通じて行われるいじめ問題等に対応するための学校ネットパトロール支援事業の充実

▼教員研修の充実

 本道では、教員育成指標および教職員研修計画を策定し、研修の充実に取り組んでいるが、様々な教育課題に対応する教員の資質・能力の育成・向上のため、研修の充実に向けた施策の一層の充実が必要である。

▽教員の資質・能力の育成・向上のため、教員研修の充実に向けた施策の一層の充実

▽英語教育にかかる教員の指導力・英語力の向上を図る研修の充実

▽道徳教育における指導方法の改善にかかる教員研修の充実

▽ICT・1人1台端末を活用した授業改善のための指導体制の充実

▽初任段階教員研修における北方領土に関する学習やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する学習の研修の充実

▽養護教諭・栄養教諭にかかる研修の充実

▽1年単位の変形労働時間制の適用にかかる長期休業期間における研修の取扱いの提示

▼北海道の地域性に配慮した教育条件の整備に対する支援の充実

 本道は、積雪寒冷な気象条件のもと、わが国の総面積の22%を占める広大な地域を有している。こうした地域性によって、通学の困難性を抱えている地域や高校がない市町村が多く、また、全国を上回るスピードで少子化が進行しているなど、教育条件の整備を図る上での困難を抱えていることから、本道の地域性に配慮した財源措置などの支援が必要である。

▽小・中学校のスクールバス購入費、遠距離通学費等に対する補助要件等の見直しや市町村のスクールバスの運行経費に対する財政措置の拡充

▽高校の遠距離通学者補助やスクールバスの運行に対する財源措置

▽医進類型を設定する高校に対する定数措置や財源措置の充実

▼就学および就職を支援する施策の充実

 本道の2年3月の新規高校卒業者の求人倍率は2・65倍(前年比0・09ポイント増)と改善傾向にあるが、全国平均の2・89倍に比べ依然として差があることから、新規学卒者への就職支援に対する政策の充実が引き続き必要であるほか、農林水産業や建設業などの産業界からは労働力不足への対応が求められており、新規学卒者に対し、地域産業への理解を促進し、職業を適切に選択できる機会の確保が必要である。

 高校等就学支援金制度等によって、保護者の負担軽減が一定程度図られているが、なお高校等への修学については大きな経済的負担があることから、経済的に厳しい状況にある児童生徒の支援が必要である。

▽奨学のための給付金制度の国による確実な財源確保と制度の改善・充実

▽介護福祉士修学資金等貸付制度の福祉系高校生徒への拡大

▽日本学生支援機構奨学金の貸付条件の緩和および給付型の奨学金の枠の拡大など制度の充実

▽要保護・準要保護児童生徒に対する就学援助にかかる施策の充実

▽新規学卒者に対する就職支援策の充実

▼高校等就学支援金制度等の改善・充実

 本道では、高校における就学支援金制度の運用に当たり、保護者負担の軽減や教育の機会均等を図る観点から、単位制高校(定時制・通信制)に在学する生徒が就学支援金の上限単位を超過した場合には、超過分の授業料を、公立高校においては道が、私立高校においては保護者が負担しているが、就学支援金制度は国の施策であることから、すべて国において確実な財源措置を講ずる必要がある。

 また、マイナンバー事務手続きの見直しにおいては、保護者の負担軽減および都道府県や学校の事務負担に配慮した事務手続きの簡素化を図る必要がある。

▽支給月数や単位数の上限の引き上げなど就学支援金制度の充実

▽奨学のための給付金制度の国による確実な財源確保

▽就学支援金に関する事務手続きのさらなる簡素化

▼大学入学共通テストにかかる条件整備および実施体制の構築

 広域分散型の地域特性を有する本道では、大学受験にかかる時間的・経済的な負担等の軽減が受験者や保護者等にとって重要な問題であることから、3年度大学入学共通テストにおける試験会場がない地域においても、新規に会場を開設するなど、受験地の拡充が必要である。

 また、今後、大学入試における英語4技能の評価や記述式出題を含めた大学入試の在り方について、国において十分に検討するとともに、受験生が安心して受験できる実施体制を構築することが必要である。

▽これまで、大学入学共通テストの試験会場が開設されていなかった管内における試験会場の開設

▽大学入学共通テストの実施に当たり、受験生が安心して受験できる実施体制の構築

▼教員免許制度の見直し

 本道では、特別な支援を必要とする幼児児童生徒に対し、すべての教員が適切な指導や支援ができるよう、各種施策を進めているが、広域性から小規模校が多く存在し、特別支援学校教諭免許状を有する教員が在籍しない学校も多いことなどから、特別支援教育に関する教員の専門性を向上させる必要がある。

▽教員免許取得のカリキュラムにおける特別支援教育に関する内容の充実

▽特別支援学校教諭免許状の取得や他の特別支援教育領域の追加を効率的に行えるような具体的支援策の検討

▽現行の免許管理システムについて、都道府県に新たな財政負担が生じることのないよう必要な措置を検討

▼私立高校等に対する施策および財源措置の充実ならびに施設・設備整備の促進

 少子化による生徒数の減少など私立高校等の経営環境は大変厳しいことから、私立高校等の教育条件の維持・向上や経営の安定を図るとともに、修学上の経済的負担の軽減によって子育てしやすい環境が整備されるよう、私立高校等に対する施策および財源措置の充実が必要である。

▽私立高校等の経常費に対する財源措置の充実

▽私立高校生等への修学支援にかかる財源措置の充実

▽私立幼稚園等の特別支援教育に対する助成制度拡充

▽私立幼稚園教員の処遇改善に対する財源措置の充実

▽私立専修学校等に対する財源措置

▽私立高校等の施設・設備整備の促進に向けた助成制度の拡充

▼高等教育機関に対する財政支援の充実

 本道の大学は、産業経済の活性化や文化の振興などを通じて地域社会に貢献しており、産学官連携等によって地域社会の発展に貢献できるよう、大学の拡充整備や教育研究活動に対する財政支援の充実が必要である。

▽大学の拡充整備および教育研究活動に対する財政支援の充実

▼高等教育の修学支援の改善および財源措置

 生まれ育った環境に左右されずに、誰もが将来の夢や目標の実現に向けて大学等に修学することができるよう、また、意欲ある学生等が新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済的影響等によって学びを諦めることのないよう、高等教育の修学支援の制度の充実が必要である。また、真に支援が必要な子どもたちに対する高等教育の修学支援新制度の実施に当たっては、地方に多大な事務負担および財政負担が生じるため、地方負担分も含め所要の財源の確保が必要である。

▽高等教育の修学支援(授業料等減免・給付型奨学金など)にかかる制度の充実

▽高等教育の修学支援新制度にかかる財源措置

▼その他教育施策の充実

 本道における教育の一層の推進を図るため、つぎに掲げる施策の充実が必要である。

▽義務教育諸学校の児童生徒に対する教科用図書の無償給与制度の堅持

▽放送受信料免除措置の継続

▽市町村教委における指導主事等の配置への支援

▽主権者教育の推進

▽性の多様性に対する理解促進に向けた施策の推進

▽中核市等への人事権移譲の前提となる条件整備等の検討

▽教職員の再任用に必要な財源措置の充実

▽在外教育施設派遣教員委託費の拡充

▽通学路等における子どもの安全確保を図る対策の推進

▽実践的な防災教育の推進

▽公立夜間中学設置への支援

▽子どもの読書環境の充実

▽中高一貫教育制度の充実

▽高校と地域社会をつなぐコーディネーターの配置にかかる財源措置

▽コミュニティ・スクールの導入促進や取組の充実にかかる教職員の加配措置や財源措置の継続・拡充

▽地域学校協働活動に対する財源措置の継続・拡充

▽放課後子供教室の地方負担の軽減

▽社会教育施設の耐震化等にかかる財政措置の強化

▽アイヌ民俗文化財の保存と伝承・活用の推進

▽子どもの文化芸術体験機会の充実

▽五稜郭跡や道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)など文化遺産の保存・活用の推進

(道・道教委 2021-05-14付)

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