興部町内全小・中３校が合同研修会　一人ひとりに合う学びを　特総研・涌井氏　重要性説く

（学校 2021-05-19付）

涌井氏は認知特性の違いなどを解説した

　【網走発】興部町の全小・中学校３校（興部小学校、沙留小学校、興部中学校）は１４日、合同研修会を興部中（岸澄美子校長）で開催した。国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センターの涌井恵主任研究員が「学び方を学ぶ～全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現」と題して講演。マルチ知能の考え方などを踏まえ、子ども一人ひとりに合った“学び方”を理解させる重要性などを示した。

　研修会は、興部町教委の後援を受けて実施しているもので、今回は興部中が主管。新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、ウェブ会議システムで同校と講師の所在地を結んだ。

　涌井主任研究員は、①言語的知能②論理・数学的知能③空間的知能④音楽的知能⑤身体・運動的知能⑥対人的知能⑦内省的知能⑧博物的知能―と、８つのマルチ知能を支える「やる・き・ちゅ（やる気、記憶、注意）」の力を紹介。言葉を使った考え方が得意な子や、数字を使った方が覚えやすい子など、子どもによって学び方が違うことを示した。

　それを踏まえ、グループで演習。

　参加者は、マルチ知能や「やる・き・ちゅ」の考え方を使って、「魑魅魍魎」「檸檬」「麒麟」などの難しい漢字をより覚えられる練習方法を考案。「語呂合わせ」「好きなものと結び付けて覚える」などの方法を話し合った。

　このあと、演習で出た意見の中から他教科などでも応用できそうなアイデアをグループで交流し、子ども一人ひとりの認知特性の違いに応じた授業づくりなどにつなげた。

(学校 2021-05-19付)