特定措置区域・旭川市内の道立全8高校 ハイブリッド型学習推進 旭川東・小林校長 逆風を追い風に
(学校 2021-05-26付)

旭川市内道立高でハイブリット型授業
YouTubeやZoomを活用した

 【旭川発】緊急事態宣言下で特定措置区域に指定されている旭川市内の道立高校全8校は、分散登校とオンライン学習を組み合わせたハイブリッド型学習を実施している。旭川東高校(小林爲五郎校長)では、実技・実習を除くすべての授業で動画のオンデマンド配信や同時双方向型のオンライン授業を展開。「生徒の学びを止めない」との共通認識のもと、全校を挙げて取り組んでいる。

 8校では、午前授業に加えて今週から分散登校とオンライン学習を組み合わせたハイブリッド型学習を実施。各校の実情を踏まえ、ウェブ会議システムZoomによる同時双方向型のオンライン授業、動画共有サイトYouTubeなどを介した動画のオンデマンド配信など、様々な形式で学習指導に当たっている。

 うち、旭川東高では、1つのクラスを登校する生徒とオンラインで家庭から授業を受ける生徒の2グループに分け、実技・実習以外のすべての授業で21日からハイブリッド型学習を展開。授業案内やホームルームに関する連絡は、教育支援クラウドサービス・Classiを介して行っている。

 全教員がオンライン学習に取り組めるよう、事前にマニュアルの配布や校内研修などで共通理解を図った。

 YouTubeの活用では、ライブ配信や録画授業の配信など様々な形式をとり、オンラインの生徒とはコメント欄などを介してやりとり。24日に行われた古文の授業では、ペアで現代語訳に取り組む際、教師がオンラインの生徒に「家にいるみんなも訳してみて」と声をかけるとともに、カメラを教室の生徒たちに向けるなど、教室との一体感や臨場感を出す工夫を行っていた。

 Zoomを使った双方向の授業では、教室の生徒とオンラインの生徒の混合グループによる話し合いを取り入れた双方向型の授業を展開している例もある。

 オンライン授業を受けた生徒からは、「オンラインでも、チャットなどでやりとりできれば十分、分かりやすい」「学校を休んだ際に活用できるので、コロナ収束後も役に立ちそう」とアフターコロナを見据えた前向きな声が上がっていた。

 1学年主任の齋藤宏臣教諭は「板書を増やして視覚的な情報を増やすなど、画面越しの生徒にも分かりやすいよう意識している。準備に手間取ったり、通信トラブルで授業が止まりそうになったりすることもあるが、オンライン学習ができなかった前年度よりずっと安心して取り組めている」と話す。

 授業の進度が心配だったが、小林校長の「これをチャンスととらえてより飛躍してほしい」との思いが全校に伝わり、全教員で積極的に取り組めていることに心強さを感じているという。

 小林校長は「この形式は、この先、当たり前の学びのスタイルになる」と強調。「“生徒の学びを止めない”のは学校の責務。教員の熱意をもって取り組む姿が生徒の学習意欲につながっており、相乗効果が生まれている。コロナ禍のみならず、部活動の大会で休む生徒や、雪害による臨時休業時にも活用できるので、逆風を追い風ととらえて進めていきたい」と話していた。

(学校 2021-05-26付)

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