福島町教委 福島商高を支援 寮建設し生徒全国募集 地域学習や移住体験企画
(市町村 2021-05-24付)

 【函館発】福島町教委は、福島商業高校(太田和浩校長)に町外から通う生徒を受け入れる寮「青少年交流センター」を建設する。全国からの生徒募集に向け、地域の産業団体から講師を招き、地域学習の機会を設けるほか、都市移住者の移住体験および田舎暮らし体験の場などを企画。町教委担当者は「商業高校ならではのやりがいを実感できる施設にしたい」と話している。

 同校の本年度入学者は11人。道の地域連携特例校の基準となる「2年連続10人以上」を満たしたものの、令和4年度以降は中学校生徒の減少が見込まれるため、厳しい状況にある。

 道教委は前年度、地域創生に向けた高校魅力化の手引を策定。「学校と地域の連携を深め、情報を共有するとともに、地域の人材を育成することが重要」と掲げている。

 これを受け、同校の在り方に関する協議会はことし2月、報告書を作成。道立高校としての存続を目指し、受け入れ施設の整備や地域課題解決型学習の推進、生徒の全道・全国募集、青少年交流センター整備、魅力ある教育課程づくり、町民の理解促進など9つの提言を行った。

 18日の町議会総務教育常任委員会で、6月21日開会予定の町議会定例会に青少年交流センター建設に向け取組を進めていく考えが示された。一般会計補正予算案として設計費1120万円を計上する。

 寮は、1学年8人の入寮を見込み、24室を整備する計画。可動式の壁で仕切るほか、女子生徒が安心して入寮できるよう、指紋認証によるセキュリティを備える。

 また、町教委が作成した『北海道ふくしま歴史物語』を活用し、地域の産業団体から講師を招いて地域学習の機会を設けるほか、同校が地域特産品の昆布を用いて開発した「どんぶらコンブラーメン」の販売などを通して、商業高校ならではのやりがいを実感できるようにする。

 さらに、地方創生の観点から、ゲストルーム4室を整備。都市居住者の移住体験や田舎暮らし体験を行い、交流・関係人口の拡大を図る。

 今後は生徒募集に向け、来年6月に東京、大阪、名古屋などで予定している地域みらい留学などを通して、全道・全国に広く同校の魅力を発信する。

 本年度の設計業務完了後、次年度の建築工事を経て、5年度の入寮開始を目指す。

(市町村 2021-05-24付)

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