沼田町3年度教育行政執行方針 炭鉄港 教育課程に 小1・2年で外国語活動
(市町村 2021-05-24付)

沼田町教委吉田憲司
沼田町教委・吉田憲司教育長

 【岩見沢発】沼田町教委の吉田憲司教育長は、令和3年度教育行政執行方針で、沼田学園で小中一貫型小学校・中学校の特性を生かし、主体的・対話的活動を促す「沼田スタイル」を組織的に継続し、学習規律、家庭学習等についても9年間のつながりを意識した学習習慣の確立を図るとした。炭鉄港のストーリーや沼田町の歴史を教育課程に位置付けるほか、小学1・2年生において年間15時間の外国語活動を実施するなど、外国語活動等のさらなる充実を図っていく方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼小中一貫校「沼田学園」について

 学校における組織体制・指導体制のさらなる充実を図り、義務教育における、子どもたちの心身の発達段階に応じたきめ細かな指導を進めるとともに、ふるさと沼田に誇りをもち、社会をたくましく生き抜く子どもを育てるための取組を進める。

▼いじめや不登校児童生徒の対応について

 教育支援センター「ゆきの芽」では、通室する児童の対応など学校生活に順応できない子どもたちへの心と体の居場所づくりを進めていく。

▼学びの意欲と学力の向上

▽小中一貫・連携教育の推進について

 小中一貫型小学校・中学校の特性を生かして、9年間を見通した教育課程を整理し、教職員の小・中学校の指導内容の系統性についての理解を深め、授業実践と改善の継続を図る。沼田認定こども園と沼田小学校との幼小連携が早期の学習支援につながることも期待できることから、継続して取り組む。

 専門性を生かした乗り入れ授業、小・中の円滑な接続のための小学6年生の中学校登校もその趣旨を生かし、内容の充実を図る。

▽学力向上対策の推進について

 主体的・対話的活動を促す「沼田スタイル」を沼田学園として組織的に継続して研究・実践を積み重ねていくとともに、学習規律、家庭学習等についても9年間のつながりを意識した学習習慣の確立を図っていく。

 夏休み・冬休みの長期休業期間と、週1回のペースでの学習サポート事業「明日萌」を継続するほか、中学生への放課後の学習支援と、中学3年生への高校受験対策講座を継続する。

▽ふるさと教育やキャリア教育の充実について

 沼田の地域素材を活用し、まちのよさや魅力を知り、子どもたちが「沼田町で生まれてよかった」「沼田町で育ってよかった」と胸を張って言える教育を進めるとともに、子ども議会を開催し、地域社会の一員として議会や行政の意義や仕組みへの理解を深める取組を実施していく。

 日本遺産に認定された炭鉄港の構成文化財「クラウス15号蒸気機関車」や炭鉱、留萌線などを通して炭鉄港のストーリーや町の歴史を教育課程に位置付け子どもたちに伝えていく。

 児童生徒が様々な職業や地元企業の職場を見学・体験することで、働くことの意義や職業観を学び、意欲的に仕事に取り組む姿勢を身に付け、自分の進路を主体的に選択・決定できるよう、キャリア教育も引き続き取り組んでいく。

▽国際化への対応について

 小学1・2年生においても年間15時間の外国語活動を実施、朝学習を活用した英語学習、週5日の配置としたALT(外国語指導助手)の活用による効果的な授業の展開、小学校教員の英語の指導力向上に向けた研修活動や小中一貫・連携教育における英語授業の系統化、中学校英語教師の乗り入れ授業を通して、外国語活動等のさらなる充実を図っていく。

(市町村 2021-05-24付)

その他の記事( 市町村)

芦別市 3年度教育行政執行方針 郷土に愛着もつ子を 小中一貫教育を本格導入

芦別市福島修史  【岩見沢発】芦別市教委の福島修史教育長は、令和3年度の教育行政執行方針で、本年度から小中一貫教育を本格導入し、ふるさと教育・キャリア教育を通して郷土に愛着をもつ子どもの育成を目指し、取組を...

(2021-05-25)  全て読む

浦臼町 3年度教育行政執行方針 小規模校の利点最大化 ICT活用した取組推進

浦臼町河本浩昭  【岩見沢発】浦臼町教委の河本浩昭教育長は、令和3年度の教育行政執行方針で、ICTを活用した取組で小規模校のメリットを最大化し、確かなる力と心優しい人づくりを推進するとした。新型コロナウイル...

(2021-05-25)  全て読む

豊浦町3年度教育行政執行方針 小・中良好な接続を 9年間見据え指導一体化

豊浦町吉田朋行  【室蘭発】豊浦町教委の吉田朋行教育長は令和3年度教育行政執行方針において、小学校間の連携や小・中学校間の良好な接続について研究し、ICT機器を活用した授業づくりを推進するとした。9年間を見...

(2021-05-25)  全て読む

壮瞥町3年度教育行政執行方針 小・中9年見通し目標 高校で生産工程管理学習

壮瞥町谷坂常年  【室蘭発】壮瞥町教委の谷坂常年教育長は令和3年度教育行政執行方針において、町教育研究会で、小学校から中学校の9年間を見通した目標や教育課程の策定に取り組むことを示した。また、壮瞥高校で安全...

(2021-05-25)  全て読む

厚真町3年度教育行政執行方針 新たに指導主事配置 豪州派遣は冬季休業中

厚真町遠藤秀明  【室蘭発】厚真町教委の遠藤秀明教育長は令和3年度教育行政執行方針において、教育委員会事務局に指導主事を新たに配置するとしたほか、中学2・3年生を対象としたオーストラリアへの海外派遣研修事業...

(2021-05-25)  全て読む

南幌町3年度教育行政執行方針 中学生留学事業は国内 小学校に校務支援システム

南幌町教委小笠原正和  【岩見沢発】南幌町教委の小笠原正和教育長は、令和3年度教育行政執行方針で、中学生国際留学プログラム事業について、新型コロナウイルス感染症の影響によって海外への渡航は難しいと判断し、国内の語...

(2021-05-24)  全て読む

福島町教委 福島商高を支援 寮建設し生徒全国募集 地域学習や移住体験企画

 【函館発】福島町教委は、福島商業高校(太田和浩校長)に町外から通う生徒を受け入れる寮「青少年交流センター」を建設する。全国からの生徒募集に向け、地域の産業団体から講師を招き、地域学習の機会...

(2021-05-24)  全て読む

木古内町3年度教育行政執行方針 ICT機器積極活用 教職員の多忙化解消に努力

木古内町教委野村広章  【函館発】木古内町教委の野村広章教育長は令和3年度の教育行政執行方針において、GIGAスクール構想に伴う1人1台端末の整備の完了を受け「リモート学習などICTを活用した新しい生活・学習様式...

(2021-05-21)  全て読む

小堀教育長 効果的学級運営を 全学年30人学級導入 上士幌小で4年度から

 【帯広発】上士幌町教委は、令和4年度から上士幌小学校の全学年で1学級当たりの児童数を30人以下とする少人数学級を導入する方針だ。11日に開かれた町議会定例会で、小堀雄二教育長が明らかにした...

(2021-05-21)  全て読む

名寄市教育改善プロジェクト委員会 働き方改革など重点に 第3次2年目研究スタート

名寄市教育改善プロジェクト委員会  【旭川発】名寄市教育改善プロジェクト委員会(委員長・堀江充名寄南小学校校長)は、第3次委員会2年目の研究をスタートさせた。道教委指定の学校力向上に関する総合実践事業の取組と関連付けながら、...

(2021-05-18)  全て読む