北理研札幌支部　春の学習会　ＩＣＴ活用法検討へ　本年度研究の重点確認

（札幌市 2021-05-27付）

　道小学校理科教育研究会（＝北理研、紺野高裕会長）札幌支部は５月上旬、オンラインで令和３年度春の学習会を開いた。６４人が参加。本年度研究の重点などを確認した上で、理科授業における問題解決に向けたＩＣＴの活用方法等について、今後検討していくことを申し合わせた。

　札幌支部では、毎年この時期に春の学習会を実施。本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からオンラインで開催した。

　はじめに、紺野会長あいさつ。感染症の影響で様々な活動を縮小・中止した前年度の活動を振り返り、「会同を諦めざるを得ない中、ウェブ会議システムＺｏｏｍによるオンライン形式を活用し、札幌支部研究大会や冬季研究大会などを開催することができた」と報告。「困難な状況に屈することなく、できることを工夫し活動を進めたことは、会員が困難な問題に直面しつつも、英知を結集し、方法を駆使して問題解決に取り組んだ成果」と評した。

　また、本年度からＧＩＧＡスクール構想の本格運用が始まったことにふれ、「理科における活用の在り方についても、様々な可能性が考えられる」と指摘。その上で、本年度の活動の重点として「会員の授業力の向上・授業構築力の向上」「ＧＩＧＡスクール構想における、タブレットの活用・ＩＣＴ活用の推進」「コロナ禍における感染症対策、授業構築および実践」の３点を示した。

　引き続き、鐙孝裕研究部長が研究提案。これからの時代に求められる、子ども主体の問題解決が位置付いた授業とはどのようなものかを考え直す必要性を指摘。「７年後の全国大会を見据え、全道の北理研会員の授業像・子ども像の重なりを大きくし、さらに広げていきたい」との考えを示した。

　研究の重点として、①課題と問題の関連を明確にした単元構成②自然事象を見つめ直すきっかけを生む対話③問題解決のより一層の充実を図るＩＣＴの活用―の３点を提示。うち、③については、今後、問題解決のどの過程でどのようにＩＣＴを活用していくかの検討を行っていくとした。

　このあとの討議で参加者からは「モデル実験と検証との行き来が難しいとされているので、自然体験と自分の考えの橋渡しをＩＣＴで行えないか考えていきたい」「ＩＣＴを活用して、子どもの直接体験をより生かした活動を進めていけるかを探っていきたい」などの意見が挙がった。

(札幌市 2021-05-27付)