札幌市教委・檜田教育長 就任あいさつ 現場感覚忘れず業務を “和と輪と笑い”ある職場へ(札幌市 2021-05-28付)
札幌市教委・檜田英樹教育長
札幌市教委の檜田英樹教育長は25日、市教委幹部職員を前に就任あいさつを行った。札幌市の次期まちづくり戦略ビジョンに基づく進ちょく管理を着実に進めていく考えを表明。その上で、今後「中長期的なビジョンをもった事業の立案」「現場の感覚を忘れないこと」を念頭に業務を推進するよう求めた。「苦しいこと、困難なことにも目をそらさずに、逃げずに取り組むためには、チームの和が何より大切」と強調し、“和と輪と笑いのある職場づくり”を進めるよう呼びかけた。
檜田教育長のあいさつ概要はつぎのとおり。
私はもともと、中学校の教員である。
中学校2年生のときに教員になることを目指し、大学卒業と同時に札幌で教壇に立つこととなった。学校が好きで、子どもが好きというよりは、子どもはできないのが当たり前、そのできない子を少しでもできるようにしてあげること、その子のよさを伸ばしてあげること、子どもがそのために努力する姿が好きで、これまで教員として歩んできた。
平成13年から縁あって教育委員会で世話になることとなり、違った立場から学校を支え、教員の力量を高め、子どもたちの健やかな心身の成長を進めるため、生涯学習、社会教育の充実のために業務を行ってきた。
現在、コロナ禍ではあるが、それぞれの部署で札幌市教育振興基本計画、それに付随する各分野の個別計画に基づき業務を進めていただいている。
市としては、次期まちづくり戦略ビジョンも策定中であり、ぜひともしっかりとした計画、それに伴う進ちょく管理を着実に進めていきたいと思っている。
大切な視点の一つは、中長期的なビジョンをもった事業の立案。
私の好きな言葉の一つに「大善は非情に似たり、小善は大悪に似たり」がある。一見、非情にも映ることが実は、世にとって、子どもたちにとって大きな善、であり、逆に一見よさそうにみえることが実は大きな悪であるという戒めである。これから仕事をする上でも、管理職にもぜひもってもらいたい感覚である。
もう一つの大切な視点は、「現場の感覚を忘れない」ということ。
学校現場にいるときからも、常々「自分も昔、子どもだったこと」を忘れずに子どもや保護者と接してきた。
自分が昔、子どもであったこと、教師であったこと、市民や多くの人の見方、考え方をしっかり想像しながら仕事に取り組んでいく。皆さんにも、そういった視点でそれぞれ仕事をしていただきたい。
さらに、秋元克広市長がよく口にする「市民感覚」と「おせっかい」も大切にしたいと思っている。
最後に、“和と輪と笑い”のある職場づくりをお願いしたい。
主旨は、長谷川雅英前教育長が常々話していた「風通しのいい職場づくり」と同じである。
苦しいこと、困難なことにも目をそらさずに、逃げずに取り組むためには、チームの和が何より大切。いろいろな人の力が束になったときに、大きなエネルギーを生み、それが推進力となる。
正規、会計年度の職員の別も関係なく、誰一人欠けてもよい仕事ができない、そんな思いで職場づくりを進めることが何より大切。学校も同じで、管理職、教員だけでなく、事務職員、用務員、栄養教諭、調理員、校務助手、ボランティアの力があって初めて成り立つと思っている。
これから学校に対しても、どの子も自分が大切にされていると感じることができる教育を進めてほしいと呼びかけていく。
そのためには、教師と子どもとの信頼関係が基盤になくてはならない。最終的には、人と人とのつながり、絆があって初めて血の通った教育が生まれると思う。それがあれば、ときに厳しい、強い口調で叱ったとしても、その子はもちろん、保護者との信頼関係が崩れることはない。
教育委員会の職場でも同じで、どの職員も「自分が大切にされている」「自分は認められている」という実感があれば、多少の困難も乗り越えていけると思いう。
皆さんには、自分から一番遠い人にも目をかけ、声をかけ、笑顔で話しかけることを心がけていただきたい。自分も常にそうした姿勢で職務を全うする決意である。
最後に、一人ひとりにお願いしたいことは、家族を含め、健康であってほしい。笑顔を大切にした日々を送っていただきたいということである。教育委員会は忙しく、体力的にも精神的にも大変な職場であると思う。
だからこそ、“和と輪と笑い”を大切にしながら、いつでも誰もが休みを取りやすい職場づくりをお願いする。いつでも、誰もが、休める職場、互いに支え合う職場づくりをお願いする。
ある特定の仕事が職員個人についている仕事になっていないか、組織で仕事を進められているかを意識した職場づくりをお願いしたい。
(札幌市 2021-05-28付)
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