札幌市立高・特校長会 2年度事業報告 研究紀要から第1回
(札幌市 2021-05-31付)

市立校長会連載
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 札幌市立高校・特別支援学校長会は、研究紀要第39号をまとめた。「進路探究学習」「国際教育」「教育相談・特別支援教育」に関する3つの推進委員会と「教務部長」「特別活動部長」「ICT」「図書」「養護教諭」「教科別」の6連絡協議会で各種事業を推進した。各推進委員会、連絡協議会が新型コロナウイルス感染症の状況下で実施した令和2年度の事業等を連載で紹介する。

◆進路探究学習推進委員会①

▼はじめに

 進路探究学習の充実は、札幌市教育アクションプラン(後期)における9つの重要項目の一つとなっている。本委員会は、市立高校・中等教育学校が相互に協力し合い進路探究学習を推進していくため、進路探究セミナー、インターンシップ等推進事業、高大連携等推進事業の3つを事業の柱としている。

 進路探究セミナーは1年生を対象に実施しているもので、カナモトホール(札幌市民ホール)を会場に、市立高校7校、約2000人の生徒を2日間に分けて実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から中止とした。代替として、各校の生徒による作文「私の夢・生き方の理想」をまとめた冊子を作成し、各校1年生徒に配布した。冊子は各校の進路探究学習の取組の中で活用された。

 職場体験学習は、市立高校4校がA、Bの2つの日程に分かれて9月に予定していたが、進路探究セミナーと同様に中止となった。4校以外の学校も、各校独自の取組として職場体験学習、インターンシップ等を予定していたが、一部を除き中止となった。

 高大連携事業では、札幌市立大学看護学部の高大連携公開講座は中止となったが、小樽商科大学にはアクティブラーニングの模擬講義、札幌市立大看護学部およびデザイン学部、道医療大学には、オンデマンド配信による模擬講義の企画・提供などの協力をいただいた。

▼活動の目的

 進路探究学習は、札幌市立高校教育改革ビジョンに掲げた3つの基本的方向性に基づき、市高スタンダード(全校共通)の取組の一つとして、「生徒の学習意欲を高め、より主体的に学ぶ生徒を育てるため、自分自身を発見し、将来の生き方や進路について考えさせるための学習」を目的に活動しているものである。

 各校が共通して取り組むことによって、市立高校ならびに市立札幌開成中等教育学校の独自の事業として、選ばれる魅力ある市立高校づくりを推進していくことも重要な目的の一つである。

 平成15年度から、この目的に向けて、市立高校の共通施策として進路探究学習の充実を図り、進路探究学習推進委員会を設置し、市立高校・市立札幌開成中等教育間の連携および札幌市教委・札幌商工会議所・各大学・保護者との連携・協働のもと、進路探究セミナー・インターンシップ等の事業・高大連携事業を実施している。

【2年度事業報告】

▼進路探究セミナー

▽概要

 進路探究セミナーは18年目を迎え、市立高校1年生が一堂に会する進路探究学習として定着している。これまでは札幌開成中等教育の4年生も参加していたが、2年度からは同校を除く7校の生徒が参加することとなった。

 例年どおり、カナモトホールを会場として2日間の日程を設定し、元年度に引き続き、第1部の講演では中屋敷左官工業㈱代表取締役の中屋敷剛氏に講師を、第2部のフォーラムではFM北海道アナウンサーの森本優氏にコーディネーターを依頼して、「私の夢、生き方の理想」をテーマに意見交流を行う計画を進めていた。

 しかし、4月の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、札幌市教委と校長会で検討し、中止した。

 事務局で検討し、代替として各校の生徒による作文「私の夢・生き方の理想」をまとめた冊子を作成し、各校1年生徒に配布することとした。

▽セミナー冊子の作成

 入学時に1年生が提出する作文「私の夢・生き方の理想」の中から、各校で2編選んでもらい、事務局で冊子にまとめた。冊子は、同世代の仲間達の考えにふれることで、生徒が自分の生き方や将来を考えるきっかけをつかむことをねらいとして作成されたもので、各校で全1年生に配布の上、進路探究学習に活用してもらうこととした。

 冊子ではそれぞれの夢や目標と、それに向かって積極的に高校生活を送っていこうとする思いが描かれており、生徒の将来の職業選択や夢に向かって前進しようとする意欲のかん養につながったのではないかと考えている。

(札幌市 2021-05-31付)

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