８０年以上目標に使用　北見市教委　学校長寿命化計画

（市町村 2021-06-01付）

　【網走発】北見市教委は、本年度から令和１２年度までの１０年間を計画期間とする学校施設長寿命化計画を策定した。安全・安心な学校施設、多様な学習形態に適応した学校施設などの目指す姿を踏まえ、基本方針として「建物の構造躯体が健全な場合は、建築から８０年以上を目標に可能な限り使用することを想定し、中長期的な経費の縮減と平準化を図る」など３点を設定している。

　市内には、小学校２３校、中学校１３校、義務教育学校１校、給食センター３施設あり、築年数が３０年以上経過したものが６割以上を占めている状況。バリアフリー化、避難所機能など学校施設に求められる様々な課題に対応するため、中長期的な維持管理・更新等にかかるトータルコストの縮減および予算の平準化を図りつつ、現代の学校に求められる施設の機能・性能を確保していくことを目的に計画を策定した。

　計画内容をみると、学校施設の目指すべき姿として、①安全・安心な学校施設②多様な学習形態や社会変化に適応した学校施設③快適に利用できる学校施設④地域の拠点としての学校施設―の４点を設定した。

　①では、機械警備などの防犯施策と併せて、建物劣化等に伴う事故などを未然に防ぐ方策を講じる。

　②では、少人数学級、特別支援教育、ＩＣＴを活用した情報教育など、学習環境の変化に適応し、充実した学習活動を支えることができる学校施設を目指す。

　③では、採光や照明など、児童生徒が快適に過ごせる環境や感染症対策に配慮した施設整備や、特別な支援を要する児童生徒や障がいのある人などに配慮したバリアフリー化を進める

　④では、全校でコミュニティ・スクールを導入し、「地域とともにある学校づくり」を進めていることを踏まえ、教育施設としての役割を中核に、地域の拠点として多様な活用が可能な施設を目指す。

　これらの目指すべき姿や、学校施設の現状、上位計画などを踏まえ、長寿命化の基本方針として「建物の構造躯体が健全な場合は、建築から８０年以上を目標に可能な限り使用することを想定し、中長期的な経費の縮減と平準化を図る」「今後の児童生徒数の推移や社会環境の変化を考慮し、校区再編や統廃合を見据え、適正化を図りながら現施設を有効に活用するための整備を行う」「児童生徒が快適かつ安心・安全に学校生活を送れるような学校施設の環境づくりを目指すとともに、地域の拠点としての機能を担うための整備を行う」の３点を定めた。

(市町村 2021-06-01付)