教職員定数拡充を要望　札幌市　４年度国家予算等で

（札幌市 2021-06-16付）

　札幌市は、令和４年度国家予算等に対する重点要望案をまとめ、１４日の市議会大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会に報告した。教育関連では、子ども・子育て支援の充実・強化や多様な教育環境の整備、国土強靱化に向けたまちづくりなどを要望。少人数学級を推進していくため、さらなる教職員定数の拡充や、１人１台端末の効果的な運用にかかわる継続的な財源措置などを求める。

　要望事項は、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望から５項目、産業・活力分野から４項目、暮らし・コミュニティ分野から５項目、低炭素社会・エネルギー転換分野から１項目の計１５項目。

　教育関係分については、子ども・子育て支援の充実・強化や多様な教育環境の整備、国土強靱化に向けたまちづくりなどを盛り込んでいる。

　保育ニーズの多様化・複雑化に伴い、保育現場の負担が重くなっていることなどを踏まえ、安定的な人材確保や職場定着に資するよう、さらなる処遇改善策を要望。子どもの医療費軽減について、国を挙げた少子化対策の推進にも寄与することから、全国一律の子ども医療費助成制度の構築を求める。

　幼児教育・保育の無償化に起因する減少について「多子軽減の趣旨に鑑み、多子世帯への利用者負担の軽減措置の拡大をもって解消すべき」と指摘。子どもの年齢の差などによって不公平が生じないよう、多子軽減にかかる同時入所要件の撤廃など、国の責任において適切な制度を構築するとともに、必要な財源措置を講じるよう要望する。

　少人数学級を推進していくため、関係法令等の改正によるさらなる教職員定数の拡充を要望。また、公立夜間中学の設置に向けた支援として、教職員定数の拡充やスクールカウンセラー、日本語指導補助者などの活用にかかる補助率の引き上げなどの制度改善を求める。

　ＧＩＧＡスクール構想推進については、１人１台端末の効果的な運用に必要な費用として、継続的な財源措置を要望。

　学校施設の長寿命化を着実に推進するため、公立学校施設整備国庫負担金および学校施設環境改善交付金の拡充と十分な財源確保を求める。

(札幌市 2021-06-16付)