札幌旭丘高の新学科名称決定　数理データサイエンス科　４年度設置　２学級８０人

（札幌市 2021-06-16付）

　市立札幌旭丘高校（林恵子校長）に令和４年度新設する新学科の名称が「数理データサイエンス科」に決定した。１４日の教育委員会議で可決・承認。普通科８学級（３２０人）のうち、２学級（８０人）を転換し、ＡＩなどの学習をはじめ、理数分野を中心に幅広く教養を深めるとともに、情報活用能力の向上を目指す。

　市は、平成２９年に策定した産業振興ビジョンの改定版で、ＩＴ・クリエイティブを新たに重点分野に位置付けた。ＩＴを活用した新たな市場創出に向けた人材育成を掲げている。

　市教委も、高校教育改革方針で、科学技術系人材の育成を図るため、これからの社会に求められる資質や能力を伸ばす専門学科・コースの新設を重点目標としてきた。

　また、高校における新学習指導要領は、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力に位置付けている。このため、理数教育の充実を図り、ＡＩやデータを最大限活用できる人材の育成が求められている。

　これらの状況を踏まえ、市教委は同校に理数教育に関する新学科を設置することとし、４年４月、普通科８学級のうち、２学級を新学科に転換する。

　教育理念に、Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０で求められる資質・能力「気付く力」「思考する力」「発信する力」の育成と、理数分野を中心とした幅広い教養（ＳＴＥＡＭ教育）と情報活用能力（データサイエンス）を備えた人材の育成を掲げている。

　データサイエンスを柱に、理数系を軸とした教育課程を編成。物理・化学・生物・地学・数学の自然科学の手法で、学問・産業・ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）に貢献する人材育成を図る。

　すでに市教委は、市立高校の情報教育や課題探究的な学習等への助言・支援を目的とした「データサイエンス教育アドバイザー」を昨年８月に設置。ことし５月には、北海道大学・数理データサイエンス教育研究センターの阿部真育特任准教授をアドバイザーに委嘱。同センターと連携した学習も展開する。

(札幌市 2021-06-16付)