子に寄り添った指導を　札幌市学校救護協　研修会

（札幌市 2021-07-05付）

１３０人が生徒指導への理解を深めた

　札幌市学校救護協会（理事長・小池千秋平岡中校長）は１日、市内のホテルライフォート札幌で、第１回理事幹事研修会を開催した。生徒指導コンサルタントの吉田順氏が人間の基本的欲求と問題行動等のかかわりについて講話。参加者約１３０人は児童生徒に寄りそった生徒指導の在り方への理解を深めた。

　新型コロナウイルス感染防止のため、各加盟校から参加者を１人に限定。生徒指導についての研修を深め、資質向上を図るとともに、日常の生徒指導に役立てることを目的としている。

　小池理事長は「新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言によって、１年半以上にわたって子どもたちは行動等が制限され、心身へのダメージは予想以上に大きい」と指摘。「ＳＮＳの発達やネットトラブル、不登校生徒の増加など、子どもの姿が見えにくい時代になっている。講話を通して、各校で成果を還元してほしい」と呼びかけた。

　つぎに、吉田氏が「落ち着いてるときにしておく生徒指導」を演題に講話。「人間には基本的欲求として、所属欲求や承認欲求などがある。これらが満たされずに成長することで、不良行為や犯罪などの問題を起こすことで欲求を満たそうとするようになる」と説明した。

　その上で、「問題行動等を起こさないようにするために、自分が他人に必要とされていると感じることができる体験を繰り返すことが必要」と強調。子どもたちの基本的欲求を満たす教育活動、生徒指導の実施を呼びかけた。

　このほか、大人の犯罪と子ども非行・問題行動の違いなどについても説明し、各校で児童生徒に寄りそった生徒指導に期待を寄せた。

(札幌市 2021-07-05付)