道教委　登下校時の安全確保へ　危険個所　早急に調査　研修会等で効果的な方策を

（道議会 2021-07-06付）

　６月に千葉県八街市で児童５人が死傷した交通事故を受け、道教委は、道内市町村における通学路の危険個所の有無・対応方法を早急に調査し把握する方針を示した。２日の２定道議会文教委員会で鈴木淳学校教育監は、各種会議や学校安全に関する研修会を通して、効果的な安全確保の方策を実行する考えを示した。

　道教委によると、登下校中に全治１週間以上の負傷事故があった小・中学校の合計件数は平成２８年度２９件、２９年度２９件、３０年度２５件、令和元年度３６件、２年度２７件で、過去５年間死亡事故はゼロだった。

　中澤美明学校教育局指導担当局長は、定期的に通学路の状況をきめ細かく把握し、必要な対策を速やかに進めることが重要とし、「通学路交通安全プログラムに基づく現時点における通学路の危険個所の有無と対応方法を早急に把握する」と答弁。

　各管内で開催する学校安全推進会議や、通学路の安全確保に向けた効果的な取組事例をまとめた啓発資料の作成を通して、各市町村や学校の必要な取組について指導助言する考えを示した。

　鈴木学校教育監は「学校・家庭・地域・警察など関係機関・団体と緊密に連携して登下校時における安全確保に関する推進体制を見直し、通学路の合同点検の徹底などに取り組むことが重要」との認識を表明。

　効果的な安全確保の方策を実行するため、各種会議や学校安全に関する研修会を開くとし「地域の実態に応じた支援に努め、地域全体で子どもたちの安全・安心を見守ることができるよう取り組んでいく」と述べた。

　大越農子委員（自民党・道民会議）、小泉真志委員（民主・道民連合）、赤根広介委員（北海道結志会）、安藤邦夫委員（公明党）の質問に対する答弁。

　なお、道教委は、通知「学校の通学路の安全確保に向けた緊急調査について」を各教育局長に発出した。市町村教委の通学路安全プログラムなどで新たに発見された危険個所のうち、改善が図られていない個所を報告するよう要請。国が検討している通学路の緊急点検については、今後、詳細が決定されたあとにあらためて通知する。

◆通学路交通安全プログラム　ことし３月末時点１６５市町村策定

　令和３年３月末時点で通学路交通安全プログラムを策定している道内の市町村は１６５市町村であることが分かった。

　２日の２定道議会文教委員会で伊藤伸一生徒指導・学校安全課長は、２年度に道内すべての小・中学校において１回以上の通学路の安全点検を実施したと説明。警察や道路管理者などの関係機関と連携して実施している割合は小学校が約８１％、中学校が約８０％。夏季・冬季の年２回以上点検している割合は小学校が約９４％、中学校が約８８％だったことを伝えた。

　学校、市町村教委、警察、道路管理者など関係機関と連携した推進体制を構築している札幌市を含めた市町村は、３年３月末時点で１７８市町村、通学路交通安全プログラムを策定している市町村は１６５市町村だったと答弁した。

　大越農子委員（自民党・道民会議）、小泉真志委員（民主・道民連合）、赤根広介委員（北海道結志会）、安藤邦夫委員（公明党）の質問に対する答弁。

(道議会 2021-07-06付)