札幌市札苗北小　教育実践発表会　他者と学び合う授業展開　３年理科　音を響かせるには

（札幌市 2021-07-20付）

金属棒の叩く音を響かせる方法を探った

　札幌市立札苗北小学校（菅野英人校長）は１５日、同校で令和３年度教育実践発表会（１次公開）を開いた。研究主題「つなぐ～子どもの“つなぐ”力を高める授業の創造」のもと、国語、理科、体育の３授業を公開。うち、３年４組の理科「音を出して調べよう」では、大坪洋一郎教諭が金属棒をたたく活動を通して、音を響かせる方法を見い出す授業を展開した。

　同校は研究主題に「つなぐ～子どもの“つなぐ”力を高める授業の創造」を掲げ、元年度から３年度の３ヵ年継続研究に取り組んでいる。

　研究のキーワードに「問題意識の醸成と学び合い」を設定。研究の視点に、①学習内容と子どもをつなぐ②他者と子どもをつなぐ―の２点を位置付けた。

　これらを授業間、単元間、教科間、学年間で推進。子どもの学ぶ姿の変容を図り、将来に必要な知識・技能やものの考え方などを身に付けさせる学びを深めてきた。

　１５日に開いた実践発表会では、国語、理科、体育の３授業を公開。うち、３年４組の理科「音を出して調べよう」は大坪教諭が指導した。

　児童は前時までの学習から、トライアングルや鉄琴など金属の楽器を鳴らす活動を経て、音が出ているときは楽器が震えていることに気付いているほか、金属でできているものであれば音は響くと考えている。

　本時では、金属棒をたたく活動を通して、音を響かせる方法を見い出し、音と震えの関係に気付くことをねらった。

　大坪教諭は、学習経験とのズレを生むために、金属製のものがよく音を響かせていたことを話題に金属棒を提示。

　各グループにストップウォッチを配り、金属棒を叩いて何秒間音が響くかを検証させた。

　児童は、「手で直接持ってたたいたら全然音が響かない」「机においてたたいても１秒しか音が響かなかった」などと話し、音を長く響かせるためにはどうずればよいかを考えながら活動。「ひもで吊るしたら音が長く鳴った」「手で直接金属棒を持たないようにしてたたいたら音が長く響いた」など、グループごとに工夫しながら取り組んだ。

　大坪教諭は、検証結果を受け、長く音を響かせるためには、震えを止めないようにすることが必要であることを確認した。

　公開授業後には、オンラインで開会式、ブロックごとに分科会を開き、自ら考え、学びを深める児童の育成を目指して意見を交わした。

　なお、２次公開は１０月２９日に実施予定。６年生の社会科、５年生の算数科の２授業を公開する。

(札幌市 2021-07-20付)