働きやすい職場環境へ 業務見直しや“探す時間”削減
(札幌市 2021-07-21付)

 札幌市教委は15日、各校の業務改善に向けた取組を表彰する令和3年度みんなの工夫で学校を変える働き方改革取組表彰事業の表彰式を初めて執り行った。今回は成果型表彰・提案型表彰の2部門で延べ19校(重複含む)を選出。両部門の取組・提案の内容を2回に分けて紹介する。

【成果型】

▼北九条小学校(紺野高裕校長)

 日常的な超過勤務を解消するため、「意識改革」「教育課程全般の見直し」「地域・保護者・関係業者との連携」を3つの柱に設定。トランシーバー、ワイヤレスインターホン、高速複合機の導入によって環境面を整備するとともに、会議の精選、教員が金銭に触らない仕組みづくり、保護者向け便りや学校運営誌の見直しなど、従来の当たり前を根本から改革した。

 保護者への説明なども丁寧に行い、関係各所と一体となって取り組んだ結果、午後10時以降の退勤が常態化していた状況が、概ね毎日午後6時30分までに退勤できるよう改善された。

▼緑丘小学校(末原恵蔵校長)

 日常業務の効率化を図るため、ホームページ上から欠席連絡を受け付けることで電話対応を大幅に減らしたほか、校務支援機やモニター等を利用することで対面によらない情報共有を徹底し、職員会議の見直しを図った。

 また、ボードに最終退勤者を記載し、時間を意識した働き方を徹底したほか、転送電話設定の簡略化や在宅勤務中業務用チャットアプリ“slack”の導入など環境面の整備を行った。

▼幌南小学校(大牧眞一校長) 執務の効率化を図るため、印刷室の整備や集計に時間を割かないアンケート機能の活用を図った。

 また、職員が自由に“夢を語る会”を実施したり、若い先生の不安を解消するため、臨時休業中に短時間研修を実施したりすることで、やりがいや自信を高め、働きやすい環境づくりにつなげた。

▼栄小学校(中塚敦校長)

 教員の長時間労働の解消に向け、一人一部一委員会体制とする校務分掌の見直し、月1回の定時退勤日の設定、職員朝会の廃止など、できることから着実に取組を重ねることで、効率的な学校運営を図った。

▼手稲宮丘小学校(松村倫宏校長)

 授業準備などの教員が担う業務の時間を確保するため、必ずしも教員が担う必要のない業務を検討。校内の消毒作業、グラウンドの塩化カルシウム散布作業、教材園の整備を外部に委託したことで、放課後に拘束される時間が減り、授業準備や校務に充てられるようになった。

▼平岡公園小学校(増子義仁校長)

 事務用品等を探す手間、管理の手間を効率化するため、保管場所を職員室に変更。事務用品を探す、戻す場所が分からないなどの小さな無駄が減ったほか、教員全員が残量を把握できることで、計画的な準備や在庫管理など見通しをもって業務を行うようになった。

▼藻岩中学校(祖根聖吾校長)

 校務支援機の掲示板や職員室に設置したテレビモニターによる連絡事項の周知を図ったほか、職員室はもとより、耐火金庫、各教室から校務パソコン内に至るまで、徹底的な整理を行い、“探す時間”を削減。

 また、通知表の所見時期や定期テストの時期・回数の見直し、成績処理の見える化、学活・道徳・総合の時間を計画的・効率的に行うなど、教育課程に関しても大幅な見直しを行った結果、労働時間縮減に加え、効率的な教育活動につながった。

▼啓明中学校(須藤勝也校長)

「Keimei Innovation」と銘打ち、生徒とふれ合うことに活用できる多くの時間を生み出すため、行事等活動内容の精選や会議の精選ならびに効率化等の視点で教育課程を編成。

 これによって教職員の負担減につながったことはもとより、教職員の働き方改革に対する意識や、学校運営に参画する意識の向上が図られた。

▼常盤中学校(森剛彦校長)

 働きやすい職員室をテーマに掲げ、第三者への情報漏えいリスクを軽減するため、職員室内のスタッフエリアとパブリックエリアを明確に分離。また、出入り口を1ヵ所に限定することや、災害時の通路を複数確保するなどレイアウトを一新した。その結果、職員が安全かつ安心して執務できる環境を構築することができた。

(札幌市 2021-07-21付)

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