世界のためできることを　札幌市西野小　ユニセフ教室

（札幌市 2021-07-26付）

水運びに使う瓶を持つ児童

　札幌市立西野小学校（山根英機校長）で１６日、６年生５７人を対象にしたユニセフ教室が行われた。日本ユニセフ協会学校事業部の山口鮎美さんがオンラインで講師を務めたほか、道ユニセフ協会から講師３人が来校。世界で貧困に苦しむ子どもの現状に関する講話などを通して、児童は貧しい国を支えるために自分たちに何ができるかを考えた。

　教室は、日本ユニセフ協会が主催するユニセフ・キャラバン・キャンペーンの一環。ユニセフの活動に関する知識・認識の普及啓発を目的に、１９７９年の国際児童年から開始された取組。これまでは、日本ユニセフ協会の職員が各地を訪問し実施してきたが、本年度は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンラインで開催した。

　市内では、１６日に発寒東小学校と西野小で講話。このうち、西野小では６年生の総合的な学習の時間に位置付けた。

　山口さんは、アフリカ諸国など、５歳未満で亡くなる子どもの数が多い国の状況を示し、「医療環境が整っていないことや栄養不足などが大きな要因」と指摘。これらの国と比べて、日本は恵まれた生活環境にあることを説明した。

　また、児童と同世代の女子が、家族の生活用水を確保するため、水汲みに毎日８時間費やしていることを紹介。「学校で勉強する機会を失って確保できた水も清潔なものではない。その水を飲むことで食中毒などの体調不良になる可能性もある」と過酷な生活状況を説明した。

　このあと、実際に水を運ぶために使用している水がめを、児童の一人が持って教室を一周。「水がめを持って何時間も歩くことはできない」と話し、過酷な作業であることを実感していた。

　山口さんは「世界全体がよくなるために自分たちに何ができるかを考え、他人と共有しながら行動に移してほしい」と呼びかけ、児童たちの主体的な行動を願った。

　最後に、児童代表が「自分たちも、もしかしたら映像のような生活だったかもしれない。苦しい世界の状況を知ることができた」と感想を述べた。

(札幌市 2021-07-26付)