札幌市教委　４年度新規再任用者　フルタイム勤務を検討　定年の引上げ円滑化踏まえ

（札幌市 2021-07-26付）

　札幌市教委は、令和４年度の新規再任用者から勤務形態をフルタイム勤務にすることを検討している。公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が６５歳となったことに伴い再任用制度を改正する。なお、年休の範囲内での対応が困難な場合で、学校長および教職員課がやむを得ないと判断した場合は、短時間勤務を認めることとしている。市教委は、５年度から実施される定年の引き上げを円滑に進める観点から、４年度から前倒しでフルタイム再任用の拡大を進める考え。

　市教委は、平成２５年度以降、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられることに伴い、雇用と年金の接続を図るための当面の措置として、現在の再任用制度を運用している。

　これまで一部年金支給期間において、フルタイム勤務の場合、年金の支給停止となることから短時間勤務を承認。公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が６５歳となったことから、年金の一部支給期間がない４年度の新規再任用者から勤務形態をフルタイム勤務とするとした。

　再任用の対象者は、定年退職者、勤務延長後退職者、定年退職日前に退職した教員で、勤続２５年以上かつ公務から離れて５年以内の人（定年年齢に達している場合に限る）。

　従前の勤務実績や勤務意欲、健康状態などを考慮し選考。更新する場合も、その都度同様の方法で選考する。

　任用期間は１年間で、任用上限年齢は６５歳まで。原則、職員が退職前に得た知識や経験を生かすことのできる職などとし、定年前の職員と同様の業務に従事する。

　職種の変更は原則行わないが、定年退職した校長は、校長または教諭、園長は園長または教諭として任用し、副校長、教頭および主幹教諭は教諭として任用。事務長・学校事務係長は学校事務職員として任用する。

　配置先は、市内全域または職場の状況、職員の知識や経験、希望等を考慮しつつ定数管理の状況に応じて決定する。

　なお、①本人の健康的事情②親族の健康的事情③その他学校長および教職員課が必要と認める特別な事情―など、年休の範囲内での対応が困難な場合で、学校長および教職員課がやむを得ないと判断した場合は、短時間勤務が認められる。

　市教委は「複雑高度化する行政課題に的確に対応し、質の高い行政サービスを維持していくために、６０歳を超える職員の能力・経験を６０歳前と同様に本格的に活用することが不可欠である」とし、５年度から実施される定年の引き上げを円滑に進める観点から、４年度から前倒しでフルタイム再任用の拡大を進める。

(札幌市 2021-07-26付)