将来に向け職業観養う　奥尻中　遠隔で凸版印刷企業見学　町教委事業「ドリカム探究」

（学校 2021-07-21付）

　【函館発】奥尻町立奥尻中学校（宮腰屋由校長）の全校生徒３３人は１２日、オンラインで凸版印刷㈱（東京）の企業見学を行った。町教委が本年度から開始した奥尻教育ＳＴＥＰ―ＵＰプロジェクトの一環。生徒は、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）に関する取組紹介やデジタル教材の開発に携わる社員の声を聞き、職業観について理解を深めた。

　町教委は本年度から奥尻教育ＳＴＥＰ―ＵＰプロジェクトを展開。岡谷エレクトロニクス㈱（横浜）、凸版印刷と連携し、デジタル教材の活用や、オンラインでのキャリア教育などを通して、児童生徒が夢の実現に向けて成長できる環境を整備している。

　今回はプロジェクトの一環として「ドリカム探究」と題し、オンラインで企業見学を行った。

　東京都内にある本社から、担当職員がビル内を案内。博物館に展示している資料をもとに、平仮名と同社の印刷機とのかかわりを説明。江戸時代以前のくずし字書体を読みやすくデザインしたことを解説した。

　ショールームでは、ＳＤＧｓに向けた取組を紹介。間伐材を使用した紙製飲料容器のカートカンを製造し、容器内の飲料の充填も受託していることを解説した。間伐材の使用を増やすことで、森林育成に貢献していることを伝えた。

　続いて、同社が開発したデジタル教材「ｎａｖｉｍａ」について、担当職員が説明。開発した理由として、「ＳＤＧｓの目標達成に向け、時代に合わせた学習環境を考案している」と話した。

　児童生徒一人ひとりに応じた問題を考案すべく、社内で会議を重ねたほか、教職員に対する活用方法の勉強会を行っていることを報告。「楽しく学習できるよう、試行錯誤して作成している」と述べた。

　このほか、ｅスポーツ事業を立ち上げた経験を紹介。ｅスポーツの利点として、得点の数値化によって、「学び合いのモチベーションが高まる」とし、「これからは初めてのことにいろいろとチャレンジしてほしい」と呼びかけた。

　企業見学した生徒は、「デジタル教材の開発に関する話を聞けて面白い内容だった」「ＳＤＧｓやｅスポーツに取り組んでいることが分かり勉強になった」などと話していた。

(学校 2021-07-21付)