道・北東北遺跡の世界遺産登録控え 縄文文化学習が本格化 函館市内小学校で施設見学等 土器の説明を受ける児童たち(学校 2021-07-26付)
土器の説明を受ける児童たち
【函館発】「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録決定に向け、函館市内の小学校では、縄文文化の理解促進に向けた学習が本格化している。14日、旭岡小学校(後藤昌樹校長)の5年生25人は、構成遺産の一つ、市内の大船遺跡や縄文文化交流センターを見学し、土器や石器など多種多様な道具類を鑑賞したほか、組みひもを使用したアクセサリーづくりを体験。参加した伊藤美羽さんは「縄文時代の人々の食生活が分かった。アクセサリーづくりも楽しめた」と話すなど、縄文時代の人々の暮らしについて理解を深めていた。
函館市教委は、市内に構成遺産として大船遺跡、垣ノ島遺跡があることから、小学校の児童が遺跡や縄文文化交流センターを見学するなどの郷土学習を通じて、地域の歴史や文化、自然など、函館の良さを感じることのできる教育活動を推進している。
センターによると、新型コロナウイルス感染症が流行した前年度から、集団的宿泊学習や見学旅行を市内に変更する小学校が増加。大船遺跡と垣ノ島遺跡が世界遺産登録の勧告を受けたことや市の教育方針などを背景に、令和元年度と比較すると、来館校数は2倍以上に増加しているという。
旭岡小は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本年度5年生の集団宿泊学習を中止。児童が函館の歴史を知り、愛着をもつ心を育むため、市内西部地区の旧公会堂や大船遺跡、縄文文化交流センターなどでの校外学習に予定を変更した。
14日、縄文文化交流センターを訪れた児童は2グループに分かれて見学。土器に模様を付ける道具として使われていた「組みひも」を活用し、アクセサリーづくりの体験学習を行った。
展示室では、館内の職員による解説のもと、土器や石器・骨角器などの多種多様な道具類や竪穴住居を観覧し、日々たくましく生きた縄文人のくらしを学習。児童は土器の写真を撮影したり、説明内容を積極的にノートに書き込んだりしていた。
中村徹心君は「土偶が印象的だった。昔の人がどのように土偶をつくったのかが気になった」と話すなど、縄文時代の人々の暮らしについて理解を深めていた。
担任の野田文恵教諭は「大船遺跡と垣ノ島遺跡の世界遺産登録に向け機運が高まっている中、施設を訪れることができ、大変よかった。校外学習を通して、子どもたちが縄文文化や函館の歴史に興味をもつきっかけになったと思う」と話していた。
同校では、今回の学習内容を児童がまとめ、1人1台端末を使用し、下級生にプレゼンテーションを行う授業を計画している。
後藤校長は、「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、宿泊的行事を中止としたが、児童が自分たちの故郷である函館について理解を深めることができた。今後、体験内容を発信していくことで、さらに学びを深めていってほしい」と期待を寄せていた。
なお、この日は昭和小学校(大場雅樹校長)の6年生も同館を訪れた。
(学校 2021-07-26付)
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