札工高　琴似発寒川で課題研究　魚類生息空間が完成　環境配慮し石や木を配置

（学校 2021-07-21付）

講師と話し合いながら作業を進めた

　札幌工業高校（太田潤一校長）土木科３年生５人は１５日、札幌市内の琴似発寒川で課題研究を行った。市内の㈱北海道技術コンサルタント技術部と空知総合振興局札幌建設管理部の指導のもと、石や木などを配置し、魚類などが生息しやすい空間を整備。生徒は環境に配慮した土木技術への理解を深めた。

　同校は、道教委の実践的職業教育推進事業「専門高校フューチャープロジェクト」の一環として、「河畔林と生態系の関連性が治水に及ぼす影響」の研究を進めている。先月１７日には魚が滞留しやすい空間の在り方について検討。木や石などを配置し、川の流れを緩やかにすることとし、今月８日には滞留空間を２ヵ所設置した。

　作業の仕上げとなる今回は、同校から川村茂土木科長、土木科の３年生５人が参加したほか、北海道技術コンサルタント技術部の渡邊恵三部長代理らと、札幌建設管理部から酒谷賢治事業課主査ら３人も指導に当たった。作業を始める前に生徒たちは周辺に落ちていたごみを丁寧に拾い集めた。

　渡邊部長代理が実施内容について確認したあと、全員で川の中に。生徒からは「魚が増えている」などといった声が上がった。

　続いて、水の深さや木の生育状況などを確認し、渡邊部長代理、酒谷主査らの指導のもと改良を加えた。流速の速い場所に設置した滞留空間には、幹の径が５㌢㍍程度の柳の木を設置し河床を整えた。流速の遅い場所に設置した滞留空間には、幅６０㌢㍍、長さ１㍍の面積を水深が２５㌢㍍になるように掘り、ところどころに柳を設置した。

　今回完成させた滞留空間については、９月中旬に効果を検証する予定。

(学校 2021-07-21付)