世界遺産　道・北東北の縄文遺跡群　垣ノ島遺跡公開始まる　南茅部高生が当時の暮らし再現

（関係団体 2021-07-30付）

来賓らがくす玉を開披し、世界文化遺産登録決定と垣ノ島遺跡の一般公開を祝った

　【函館発】北海道・北東北の縄文遺跡群が２７日、ユネスコの世界遺産委員会から世界文化遺産登録の決定を受けた。正式決定から一夜明けた２８日、函館市内にある「史跡垣ノ島遺跡」の一般公開が始まった。登録決定およびオープンを祝うセレモニーでは、工藤壽樹函館市長や小玉俊宏道副知事が祝辞を述べたほか、市立函館高校チアリーディング局の生徒が演技を披露。南茅部高校生徒会・縄文クラブの生徒が縄文時代の暮らしを再現した展示を行うなど、道内初の世界文化遺産登録を祝った。

　垣ノ島遺跡は、紀元前７０００年～紀元前１０００年の約６０００年にわたって定住したとされる縄文時代の集落跡。国内最大級の盛り土遺構からは土器や石器などの道具、貝や魚・動物の骨などが大量に出土しており、祭祀や儀礼の場だったと考えられている。

　セレモニーでは、市立函館高校チアリーディング局の生徒が演技を披露した。

　工藤市長はあいさつで、「記念すべき日を迎えられたことを皆さんと共に喜び、お祝いしたい」と述べた。「垣ノ島遺跡と近隣の大船遺跡、北海道唯一の国宝・中空土偶などを有効に活用し、縄文の魅力を広く世界に発信するとともに東北３県や道内の自治体と連携し、縄文を核とした広域観光・周遊観光につなげていきたい」と展望を語った。

　小玉副知事は「世界文化遺産登録の決定は、コロナ下にある道民にとっても明るい話題。縄文遺跡群を将来にわたって確実に引き継ぐとともに、地域のにぎわい創出につなげていくため、施策を戦略的に進めていく」と、鈴木直道知事のメッセージを代読した。

　セレモニー終了後、一般公開を開始した。南茅部高校生徒会・縄文クラブの生徒が縄文時代の人々が着ていたとされる衣服に身を包み、暮らしを再現した展示を設置。オープンを心待ちにしていた市民や夏季休業期間に入った小学生らが遺跡内に入り、専属ガイドの案内で巨大な盛り土遺構や密集する竪穴建物跡などを興味深そうに見学していた。

(関係団体 2021-07-30付)