札幌市　ヤングケアラー実態調査　１０～１１月に実施　市立中高生５１０００人対象

（札幌市 2021-09-01付）

　札幌市子ども未来局は、ヤングケアラー実態調査の実施時期などを決めた。調査は１０月から１１月にかけて行い、市立の中学校・高校・中等教育学校の生徒約５万１０００人を対象とする。ウェブ形式や紙媒体での実施を予定している。市は調査結果をもとに、ヤングケラーの早期発見を目指していく。８月３０日の市子ども・子育て会議児童福祉部会に示した。

　ヤングケアラーは、本来、大人が担うとされる家事や介護、幼い兄弟の世話などを日常的に行っている子どもを指す。勉強する時間が確保できないなど、子どもが本来守られるべき権利が侵害され、結果的に子どもの将来に影響を及ぼす恐れがあるとして、本人や家族への支援が求められている。

　国はことし３月、厚生労働省と文部科学省が連携し、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームを設置。ヤングケアラーの支援に向けて、早期発見・把握や支援策の推進、社会的認知度の向上を柱に施策を展開するとした報告をまとめた。

　市は、ヤングケアラーの実態調査実施に向け、６月に、市教委および保健福祉局、子ども未来局で構成するワーキング会議を設置。調査項目や調査方法に関する協議を重ねてきた。

　調査は、１０月から１１月の期間に、生徒用・学校用の２種類を実施。中学校では学校に整備されている１人１台端末を活用し、ホームルーム等でウェブ調査を実施する案などを示した。

　３０日にオンラインで行われた部会には、委員５人が出席。調査票の内容や方法などについて協議した。委員からは、「ヤングケアラーの子は回答に時間を要するため、一斉に行うことで、周りの目を気にして正しい回答が得られない可能性がある」「市内では、市立より道立高校に通う生徒の割合が高い。結果を集計するときに、道立高校の子どものデータをどのようにしていくかを検討してほしい」などの意見が挙がった。

(札幌市 2021-09-01付)