札幌市立小・中　１人１台端末　持ち帰り　１３日開始　平時も可　６～１０日説明会

（札幌市 2021-09-01付）

　札幌市立の各小・中学校などで１人１台端末の家庭への持ち帰りが１３日からスタートする。小・中学校のモデル校による検証結果を受けて開始するもの。これまで非常時のみとしていた端末の持ち帰りを学校長が必要と判断した場合、平時でも可能となった。市教委は今後、貸与した端末の利用に関する同意を保護者に求め、家庭でのインターネット接続テストなどを実施する。８月３０日付で、市内の小学校、中学校、中等教育学校および市立札幌山の手支援学校長に通知した。

　市は、国のＧＩＧＡスクール構想にかかわって、市立全小・中学校の全児童生徒に１人１台端末を整備。タブレット端末Ｃｈｒｏｍｅｂｏｏｋを導入したほか、大容量通信ネットワークの環境を整備した。各学校では、授業や様々な教育活動で端末活用の日常化を図っている。

　端末導入前の３月には、校内推進体制の進め方や情報モラル教育の指導事例、健康上の配慮などを盛り込んだ１人１台端末活用のガイドラインを策定。教員の指導力の向上に向けた研修の在り方や、安全な環境整備の確立に向けた実践例などを示した。

　これらを踏まえ市教委は、端末の家庭への持ち帰りに関する検証や既存のソフトウェアの活用などについて実践研究するモデル研究校として中央小学校、中央中学校、宮の森中学校、市立札幌新川高校を指定。各モデル校では、端末活用における課題を整理し、学校生活への円滑な導入に向けた研究を進めている。

　端末の家庭への持ち帰りにかかわっては、中央小で夏季休業期間中、中央中、宮の森中で６～７月に効果的な活用方法を検証した。

　市教委は、検証結果をもとに市立小・中学校等の端末貸与規程および１人１台端末利用のルールを策定。８月３０日付で、市内の小学校長、中学校長、中等教育学校長および市立札幌山の手支援学校長あてにChromebookの家庭への持ち帰りを１３日から可能とする旨の通知を発出した。

　これまで、端末の持ち帰りは、感染症や災害時にやむを得ず登校できない場合に限っていたが、平時でも授業と家庭学習の接続を図ることが可能となる。

　市教委は今後、６～１０日の期間に端末の家庭への持ち帰りに関するオンライン説明会を開催。貸与した端末の利用に関する同意を保護者に求め、家庭でのインターネット接続テストなどを実施する。

(札幌市 2021-09-01付)