札幌市子どもアシストセンター 2年度相談事例等 第4回 学校と子の信頼関係回復へ 調査活動事例 話し合いの機会設定を
(札幌市 2021-08-31付)

◆学校でのトラブルについて

▼相談内容

▽本人と母親(来所)

 母親から「1年前から娘の同級生の保護者が、自分や娘の嫌がることを言うようになった。最近では同級生もその保護者の影響を受けて娘に嫌がらせをしてくるようになった。学校は相手の肩をもっているように見え、これ以上の改善や対応はしてくれないと思うので、子どもの安全のため転校を考えている」と相談があった。

 調査員からは「最終的に転校まで視野に入れているのであれば、その前に子どもアシストセンターから再度学校に善処を依頼するので、それからあらためて対応を検討してはどうか」と提案し、学校への調整活動を行うこととした。

▼調整活動の実施と経過

 調査員が当該の小学校を訪問し、校長・教頭に母子の訴えの内容を説明するとともに、学校のこれまでの対応状況を確認した。

 母子と学校の認識に隔たりがあると感じたことから、調査員から校長に、母親と校長が直接話し合う機会を設けるよう依頼し、快く了承をいただいた。

 後日の話し合いにおいて、校長は母親に、あらためて保護者同士で話し合う機会を設定することを約束してくれた。

 母親からは「校長が親身に話を聞いてくれたのでこれまでの不安や不満が和らいだ。自分の気持ちが前向きに切り替わったことで、子どもも元気に通学できるようになったため、転校はやめることにした」と報告をいただいた。

◆学校の対応について

▼相談内容

▽本人と両親(来所)

 母親から「息子がいじめられたが、それに対しての学校に不信をもったため、安心して登校させられない。どうしたらよいか」と電話で相談があった。後日、相談員・調査員が本人・母親と面談を行った際、母子から「学校は子どもの特性を理解し、登校が再開できるよう配慮してほしい」との意向が示されたため、調査員が学校を訪問して調整活動を行い、解決方法を検討した。

▼調整活動の実施と経過

 調査員が当該中学校を訪問し、校長・教頭と面談を行った。

 母子が学校に対して感じていることが、学校側には伝わっていない様子であったため、あらためて母子の意向と学校の考え方について情報共有を行った。

 まずは別室登校からでも通学を続けることが重要という点で認識が一致したため、引き続き子どもアシストセンターが学校と母子との間に入り、相互の信頼関係の回復と、本児の登校の継続を図ることとした。

 その後、次第に母子と学校の関係が改善に向かい、本児も登校を続けることができるようになった。終業式前に調査員が本人・母親と面談した際には、本人は「学校が楽しい」と、母親は「先生方がとても良くしてくれる」と話しており、学校への厚い信頼を伺うことができた。

(連載おわり)

(札幌市 2021-08-31付)

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