札幌市人事委員会が勧告　特別給２年連続引下げ　月例給は３年連続据置

（札幌市 2021-09-28付）

　札幌市人事委員会（常本照樹委員長）は２１日、秋元克広市長および細川正人市議会議長に対し、「職員の給与に関する報告および勧告」（人事委員会勧告）を行った。期末・勤勉手当（特別給）については、民間の年間支給割合が職員の平均年間支給月数を０・１４月分下回ったとして、１２月の期末手当から、０・１５月分を引き下げるよう勧告。特別給の引き下げは２年連続で、過去１０年間で最も少ない支給月数となった。月例給については、民間との比較が極めて小さいことから、３年連続で据え置くよう勧告した。

　市職員と市内民間従業員との給与を比較するため、それぞれの給与実態を調査。事業所規模５０人以上の６８１事業所から無作為抽出した１６４事業所を対象に、給与改定や賃金カット等の状況にかかわらず調査し、勧告書をまとめた。

　報告書によると、特別給について、昨年冬とことし夏の１年間の民間における年間支給割合が、職員の平均年間支給月数を０・１４月分下回る４・３１月分が支給されていることを示した。

　このため、ことし１２月の期末手当以降、年間支給月数を０・１５月分引き下げ、年間４・３０月分に引き下げるよう勧告。令和４年度以降も同様の年間支給月数に改定するよう求めている。

　月例給においては、民間給与が職員給与を１５１円下回っているが、「公民格差が極めて小さい」とし、「適切な改定を行うには十分ではない」と判断。３年連続で改定を見送った。

　勧告どおりに実施された場合、職員の平均年間給与は約５万円減となり、２年連続の減少となる。人件費としては、全会計ベースで約１４億３０００万円減の見込みとなる。

　このほか、「人材の確保および育成」「女性の活躍推進」「ワーク・ライフ・バランスの実現」など８項目についての対応を要請。高齢期雇用の在り方の項目では、職員全体への影響を考慮した人事制度や、再任用職員の処遇の検討などを求めている。

(札幌市 2021-09-28付)