札幌市立小・中　小規模特認校　様々な教育活動　駒岡小　第３回　自然・人・未来つなげる　体験学習や少人数指導など

（札幌市 2021-09-28付）

◆駒岡小学校（安藤九一校長）

【自然環境】

　昭和２４年、豊平町立駒岡小学校として開校して以来、地域の人々に支えられながら発展してきた同校は、駒岡の名前の由来どおり、真駒内から西岡へと続くなだらかな丘陵地帯にある。

　学校は、約１㌶の学校林と精進川に囲まれ、１年を通して、豊かな自然とのふれあいがある。

　学校林には、学校の鳥「アカゲラ」をはじめとした様々な野鳥、リスなどの小動物、ミヤマクワガタなどの昆虫も多くみられる。

　また、精進川はヤマメなどの魚や多くの水中生物が生息しており、気温が高い夏の休み時間には、子どもたちが川に入り、冷たい水の気持ちよさに満面の笑みを浮かべている。

【本校の特色ある教育】〈自然・人・未来をつなげる学び〉

▼子どもと自然をつなげる学び

　同校の子どもは、校舎後ろに広がる学校林と眼前を流れる精進川を活用した自然体験学習を通して、自然の偉大さ・生命の尊さを学んでいる。

　五感を十分に働かせながらの活動には、ときには見たことのない昆虫を発見したり、珍しい色の野草と出会ったり、鳥のさえずりに目線が上がり急に風の音が耳に入ったり、小さな魚を手ですくってみたり、岩をひっくり返すと水生生物が動いたり…。

　子どもが様々な自然と親しむ中で生まれた気付きや発見が、「なぜだろう」「やってみたい」という課題を生み出し、生きた学びへと変わっていく。教室と学校林、そして精進川へと何度も行き来を繰り返し、豊かに学んでいる。

　また、体力向上を目指し、学校林走を行っている。暑い夏でも森の中には爽やかな風が流れ、どの子も自分のペースを守りながらとても気持ちよく走っている。６年間積み上げた持久力は、目を見張るものがある。

▼子どもと人をつなげる学び

　小規模であるからこそ、子ども同士が認め合い助け合う団結力を高め、充実した学校生活につなげる伝統的な活動がある。

　その一つに、全学年数人ずつが一つの班を組む「みずなら班」の活動がある。特に、サマーフェスティバルでは、低学年の子どもも協力してグラウンドにテントを張り、宿泊する。キャンプファイヤーも行い友情・絆を確かめ合っている。

　また、地域や保護者にも様々な学習活動への協力を受けており、子どもにとっては、先生とは違う大人との会話を通し、節度や礼儀といった社会性を身に付ける場にもなっている。

　代表的な活動として、グラウンドで陶芸作品を焼き上げる「野焼き」、地域の歴史を探る「駒岡学」がある。

▼子どもと未来をつなげる学び

　同校は、子どもが自ら進んで学び、課題の解決を積み重ねて、未来を切り拓く力を育むことを願っている。そこで、学習中の課題解決への過程を大切にするために、少人数学級をさらに分けた少人数指導を計画的に行っている。

　また、自ら学習活動をプログラムしていく力を身に付けさせたいと考えている。例えば、修学旅行や宿泊学習では、目的地までの移動、活動スケジュールなど、自分たちで計画し実施している。帰校後はどの子も大きな達成感を味わい、その成果が明確に現れている。

(札幌市 2021-09-28付)