札幌市立小・中小規模特認校　様々な教育活動第４回　　福移小・中　９年間見通した活動展開　縦割り班の栽培学習、収穫祭　

（札幌市 2021-09-29付）

校地内の畑で農作業に取り組む生徒

◆福移小学校・中学校（瀧澤佳実校長）

【学校のまわりの様子】

　札幌市の北北東、豊平川と石狩川の合流する堤防に沿った平坦な地域に位置し、周辺には畑や牧草地が広がっている。数多くの野鳥が飛来し、校舎周辺からの鳥のさえずりを常に聞くことができるなど、豊かな自然に恵まれている。冬には吹雪に見舞われることもあるが、晴れた日には美しい雪景色に包まれ、特に日の出、日の入りは絶景となっている。

▼特色ある教育

　特認制度の趣旨と目的を踏まえ、小中併置校として年間の教育計画を作成している。

▽市内で唯一の小中併置校として、小学生と中学生が一緒の校舎で生活をしている

▽体力づくりとして、福移きたえーる週間（マラソンの取組）、８の字跳び大会（なわとび）、歩くスキー、サブグラウンド、体育館の開放（朝の遊び）などを通じて、児童生徒の心身の発達を目指している

▽あいさつ・あんぜん・あとしまつを合言葉に生活している

▽天文台があり、星の観察ができる札幌で唯一の学校

▽自然の豊かさ、四季の移り変わりを感じながら学ぶことができる

▼小中併置校の特質や自然環境を生かして

　小・中学校が同一の校舎・施設を使用。小学生と中学生が同じ屋根の下で生活し、９年間を見通した教育活動を行っている。そのため入学式、運動会、ステージ発表会、卒業式などの行事は小中合同で実施している。特に、校地内の約７００平方㍍の畑を使った栽培学習のレインボータイムでは、小学１年生から中学３年生が一緒となり活動をしている。計画から畑づくり・作物の管理・収穫と、中学生がリーダーとなって進めている。まとめの収穫祭では、自分たちが育てた作物を料理し、全校児童生徒、教職員、地域住民が体育館に一同に会して楽しい昼食会が行われている。

　また、小・中学校ごとの活動として、小学校には、たてわり祭り、８の字跳び大会、春の遠足、全校スキー学習（歩くスキーで校舎周辺を散策）があり、中学校はポロカル発信会（各自のテーマに沿った研究発表会や職業体験）、部活動（バドミントン部・卓球部・美術部）などがある。

　小学生と中学生が一緒に活動する場面が多く、９年間のゆったりとしたふれあいの中で伸び伸びとした子どもたちが育っている。中学生や高学年の子どもたちが、低学年にやさしく接するほほ笑ましい姿が日常生活の中でみられる。

▼天文台のある学校

　平成２０年夏、旧西岡天文台に設置されていた３５０㍉㍍反射望遠鏡が移設された。ほかにも８０㍉㍍、６０㍉㍍の屈折望遠鏡、双眼鏡を常備し、理科の学習に活用している。また、年４回程度の天体観望会では、地域の住民も参加され、天体観測を楽しんでいる。

▼ＰＴＡと協力して

　ＰＴＡ活動や保護者の協力で夏の親子レク、絵本まじっく（絵本の読み聞かせ）、感謝の餅つき大会など、小学生と中学生、保護者が一緒に活動する場面を多く設けている。また、朝の交通安全指導や花壇整備など、ＰＴＡや地域の協力のもと教育活動を進めている。

（連載終わり）

(札幌市 2021-09-29付)