札幌市立小・中 小規模特認校様々な教育活動 第2回 有明小 年2回のシイタケ収穫 学校の裏山活用し体験活動
(札幌市 2021-09-27付)

札幌市小規模特認校連載有明小
学校裏山のコースを走る児童

有明小学校(松田慎一郎校長)

【恵まれた自然と教育環境】

 明治44年、特別教授場として創立以来、地域の開発とともに歩んできた同校の自然環境は、左右の丘陵によって両側から抱えられている緑豊かな地になっている。学校の裏には、空沼岳を源とした厚別川の清流が流れ、付近の畑を潤しているばかりでなく、地域の人々の安らぎの場となっている。同校の子どもたちにとって、川遊びなどができる絶好の体験活動の場となっている。また、周囲の野山には、野草や樹林が豊かに繁茂していて、多くの昆虫や野鳥が生息し、まさに生きた教材の宝庫となっている。

 この恵まれた自然環境の中に、設備の整った校舎と広大な校地に、ログハウス・炊事場・野外ステージ・野外広場をはじめ、学校農園などの充実した野外教育活動施設があり、同校では、こうした施設を豊かな体験を通して得られる「心身を鍛える場」「遊びや憩いの場」「学びの場」として、学校生活の中に位置付け、その活動を積極的に進めている。

【特色ある教育活動の様子】

▼自然を活用した活動

 自然に親しみ、自然の中で生活し体を鍛えることによって、心豊かで強くたくましく育ってほしいという願いから、自然に挑戦したり、親しんだりできる活動を盛んに行っている。夏期間は、校地横を流れる厚別川での川遊び体験活動や裏山を駆け抜けるクロスカントリー走に加え、学校の裏山で実施する崖の彫刻は、大地をキャンバスにした有明小らしい制作活動となっている。冬期間も歩くスキーや樹間スキーツアーなど、全校児童が野山や林間を駆け巡るなど、どれも子どもたちの心に残る学校行事となっている。

▼飼育栽培・生産活動

 学校農園を中心とした野菜の栽培、トドマツ林の中でのシイタケ栽培、野鳥への給餌などを通じて生命の尊さを知り、勤労の大切さと生産の喜びを体得していくことを目的とした活動にも積極的に取り組んでいる。

▽シイタケ栽培

 50本を超えるほだ木には、6月と9月の年2回の収穫期があり、水漬けを終えて10日位で、ほだ木一面にシイタケが発生する。全員で育てた喜びとおいしさを味わっている。

▽学校農園での野菜づくり(アカゲラタイム)

 トマト・ジャガイモ・トウキビ・大根・キュウリ・スイカ・イチゴなど、学年ごとに、5月から栽培活動を実施している。

 朝の飼育栽培の時間には、地域の方から助言をいただきながら作物の成長の様子を観察したり、全校児童で世話をしたりする。収穫期になると、とれたての野菜や果物を畑でおいしく食べたり、仲良く分け合い、家庭に持ち帰ったりしている。また、全校お泊り会の夕食の食材にもなるため、子どもたちは張り切って栽培活動に取り組んでいる。

▽伝統ある全校器楽活動(ハーモニータイム)

 毎朝、校舎いっぱいに響きわたる全校器楽は午後8時35分から9時5分までの30分間で行われ、全職員で指導に当たっている。卒業するまでの6年間、新しい曲に挑戦しながら自信を深め、一人ひとりの可能性を伸ばすとともに、豊かな情操を培う場としている。また、市内にあるKitaraの大ホールで実施されるスクールバンド演奏会には、全校児童で参加。1年生から6年生まで全員が協力し合って奏でる「有明サウンド」は、迫力満点となっている。

▽全校給食・たてわり清掃

 給食時間は、1年生から6年生までが「オアシス」(ランチルーム)に集い、たてわりグループごとに、みんなで楽しく語り合いながら食事をしている。教職員も、子どもたちの中に入って給食を共にしながら、楽しい会話に参加し、全校児童とのふれあいを深めている。

 また、給食後の清掃活動もたてわりグループで行う。たてのつながりを生かした給食・清掃活動は、集団のルールを身に付けたり、他者意識を育てたりする大切な学びの場となっている。

(札幌市 2021-09-27付)

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