帯広三条高 CLASSプロジェクト実施計画 都市型探究活動を構築 生徒の進路実現を後押し
(道・道教委 2021-09-29付)

 【帯広発】道教委が本年度から3ヵ年で進める道CLASSプロジェクト推進校の帯広三条高校(合浦英則校長)は実施計画書をまとめた。研究テーマには「生徒の進路志望に沿った探究的な学びの推進に向けた都市型の地域協働探究活動プログラムの構築」と設定。総合的な探究の時間で、各分野の専門家が講話するキャリア探究や専門家と連携したグループ探究発表と発表活動、英語コミュニケーション能力を伸ばすためのネーティブとの交流活動などの取組を展開、生徒の進路実現を後押しする。実施計画の概要はつぎのとおり。

【課題把握】

▼これまでの学校と地域の関係・取組

▽令和2年度の地域連携研修主体校として「教育活動の可視化と地域と連携した教科等横断的な学習の推進」をテーマに掲げた研修を実施

▽帯広市内近隣小・中学校でのインターンシップ実施

▽3年次選択科目「自己表現」における帯広市役所・十勝総合振興局と協働した探究活動の実施

▼現状における課題

▽高い学力をもちながら自主性や主体性が十分発揮できていない本校生の現状

▽受験指導という名のもとに行う教師主導型授業スタイルからの脱却と、「探究活動は受験に関係がない」という意識をもつ教員の探究活動に対する意欲の低さ

▽本校生の出身地域の広域性と都市部に位置する高校に特有の地域協働活動に対する教員の意識の希薄さ

▽単位制の特色である多数の選択科目の開設による融通の利かない時間割

【仮説検討・テーマ設定・目標設定】

▼研究仮設

 地域と連携・協働した探究的な学びを推進すれば主体的に学ぶ力が身に付き、その結果主体的な進路選択と進路実現ができる。

▽期待する生徒・学校・地域の変容

 探究活動を学びの起点として、高校と上級学校の学びを結び付けることによって、総合型選抜や学校選抜型入試を活用した進学者が増える。

 各教科において探究的な学びを取り入れた授業改善が進み、生徒が主体的に学習に取り組むことによって学力が向上する。

 地域社会との連携・協働によって、上級学校進学後に十勝地域を就職先として選択する卒業生が増加し、地域を支える人材を育成することができる。

 地域においても、学校と連携・協働することによって、学校教育活動に対する理解が深まる。

▼検証方法

▽学校評価(保護者・教員)において生徒の自主性や主体性に関する質問項目の設定

▽各年次において具体的な進路選択を示している生徒の割合を経年変化で分析

▽生徒による授業評価において「“主体的・対話的”な授業をしている」と回答する割合の推移の変化を分析

▽外部人材を活用した授業の実施数の比較

▽総合型選抜・推薦型選抜進学者数の比較

▽模擬試験の成績による学力の変化

▼研究テーマ

 生徒の進路志望に沿った探究的な学びの推進に向けた都市型の地域協働探究活動プログラムの構築。

▼本年度の目標

 進路希望に沿った探究活動を推進するためのコンソーシアムの構築と外部人材活用の蓄積。

【研究の具体的内容】

▼研究内容

▽Collaboration

 都市部における豊富な教育資源を活用することで、生徒の資質・能力を高め、上級学校進学後の自己のキャリア形成の基礎とすることによって、将来地域を支える人材を育成することを目指す。

・3年次選択科目「自己表現」=帯広市職員と十勝総合振興局職員との地域課題の解決をテーマとした探究学習

・総合的な探究の時間

①キャリア探究として各分野の専門家から社会上の喫緊の課題について理解を深める講話

②課題探究として各分野の専門家と連携したグループ探究学習と発表活動

③英語によるコミュニケーション能力を伸ばすためのネーティブとの交流活動

▽Literacy

 コンピテンシーの育成を柱に教育活動を教科等横断的に展開し、探究的な学びのサイクルを構築する。  総合的な探究の時間と教科科目・学校行事・LHRとの関連を図り、相互に関連付けた授業を実施する。そのために単元配列表で3年間の教育活動を可視化し、さらに具体的な取組を学びのプランとして明示する。

▼研究成果の普及方法

▽HPや報道機関を活用した情報発信

▽授業公開週間での授業公開

(道・道教委 2021-09-29付)

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