道教委 企業と連携し遠隔職場実習 在宅勤務の可能性理解 あいの里高等支援生徒対象
(道・道教委 2021-09-27付)

道教委遠隔職場実習
生徒15人が参加した

 道教委は22日、沖電気工業(株)と連携し、札幌あいの里高等支援学校(西牧孝徳校長)の生徒を対象とした遠隔職場実習を実施した。在宅で勤務する社員が講師を務め、コミュニケーション能力の重要性などを説明したほか、職業体験を実施。参加した生徒15人は在宅による障がい者に配慮した雇用形態への理解を深め、将来の職業選択の幅を広げる機会となった。

 OKIグループの特例子会社であるOKIワークウェル(=OWW)では、全国22都道府県において、重度障がいを抱える59人の社員が勤務している。通勤の困難を解決するため、在宅雇用を展開。情報通信分野で培ってきた技術を生かし、自宅でオフィス同様に勤務できるよう、環境整備に力を注いでいる。

 平成16年からは、特別支援学校を対象に遠隔職場実習を開始。在宅勤務する社員の経験をもとに、ビジネススキルの向上に向けて指導してきた。

 今回、道教委が本年度から推進する特別支援学校ICT就労促進事業の一環として、札幌あいの里高等支援の生徒15人に向けて実習を行った。事業は、社会の情報化に対応した情報活用能力を充実させ、職域の拡大、障がいの種類・程度、居住地によらない職業選択が可能となることを目指すもの。

 はじめに、在宅勤務において重要となるコミュニケーション能力に関する実習を行った。遠隔地にいる相手に自分の状況を的確に伝える方法を解説。相手の話を最後まで聴き、確認することの大切さを伝えた。

 続いて、在宅勤務を行う社員2人が、1日のタイムスケジュールや仕事内容などを説明した。

 このあと、生徒たちは、請求書作成を実践するデータ処理実習コース、学校のシンボルマークを作成するデザイン実習コースの2コースに分かれて職業体験。表計算ソフトの使用方法などを積極的に質問し、作業に集中する姿がみられた。

 西牧校長は「ネットワークを通して、普段接することのない人たちとかかわる貴重な機会となった」と話していた。

 沖電気工業の堀口明子社長は「在宅勤務という雇用形態を知ってもらい、生徒が目指す夢をかなえてほしい」と期待を寄せていた。

(道・道教委 2021-09-27付)

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