文科省 特別教育課程の日本語指導 5年度 高校で開始へ 全課程で編成 遠隔指導も
(道・道教委 2021-09-27付)

 文部科学省の高校における日本語指導の在り方に関する検討会議は、高校における日本語指導の制度化および充実方策についての報告案をまとめた。全日制・定時制・通信制の全課程で編成するほか、通級指導やICTを活用した遠隔指導など、特別教育課程による日本語指導を高校で導入する際の方向性を示した。文科省は本年度から必要な制度改正に着手し、5年度からの運用開始を目指す。

 特別の教育課程による日本語指導は、児童生徒が学校生活を送り授業を理解する上で必要な日本語の指導を、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて在籍学級以外の教室で行う教育の形態。現在、小・中学校で行われている。

 22日の第5回会議で了承された報告案では、高校における特別の教育課程による日本語指導制度化の基本的考えを記載。義務教育段階と同様とすることを基本としつつ、多様な課程や必履修教科・科目など高校の教育の特徴を尊重するよう提案した。

 指導時間・単位数は小・中学校等の標準単位(年間10~280単位時間)を目安に検討。全日制・定時制・通信制の全課程で編成することや、小・中学校と同様、個別の指導計画を作成し、中学校から高校に引き継がれる仕組みの検討を提案した。

 指導者の確保が困難な場合を想定し、在籍校以外に近隣の高校などから通級する体制や、ICTを活用した遠隔指導、特別免許状や特別非常勤講師制度の活用などの対策を挙げている。

 教育委員会では、関係機関と連携した人材派遣、中学・高校の連携体制の構築、教員の専門性向上に向けた研修の必要性を挙げ、文科省に対しては、高校における日本語指導体制構築の手引やカリキュラムづくりのガイドラインの作成を求めた。

 文科省は今後、報告を10月にもホームページに公表し、本年度から必要な制度改正に着手。4年度に指導資料を作成するなど準備を進め、5年度から運用を開始する。

(道・道教委 2021-09-27付)

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