札幌視覚支援 民間企業の特別授業 顧客を理解する大切さ マーケティングの演習など
(学校 2021-10-07付)

札幌視覚支援特別授業
高等部普通科・専攻科9人が受講

 札幌視覚支援学校(佐古勝利校長)は9月30日、民間企業による特別授業をオンラインで実施した。ヤフー㈱の社員2人が講師を務め、マーケティングに関する講義や演習を展開。顧客のことを考え、理解することの大切さを伝えた。

 道教委が本年度から推進する特別支援学校ICT就労促進事業の一環として実施した。道教委と民間団体、労働、福祉等の関係機関が連携し、社会の情報化に対応した情報活用能力の育成に向けた取組を充実させることを通し、職域の拡大、障がいの種類・程度、居住地によらない職業選択が可能となることを目指すもの。

 実践校となった同校は今回、ヤフー(株)による協力のもと、ウェブマーケティングの特別授業を展開した。高等部の普通科・専攻科の3年生9人が受講した。

 同社は、コロナ禍の影響によって働き方を変え、場所にとらわれずオンラインで業務を行う「どこでもオフィス」を導入。

 また、フレックスコアタイムの撤廃によって、家事や育児、介護など、個々のライフスタイルに合わせて業務を行える体制を構築した。「今後、ITの活用の場が増えていく。様々な働き方があることを知ってほしい」と話した。

 続いて、マーケティングに関して、言葉の意味や概念などを説明。「顧客について考えることが最重要」と強調した。

 また、ウェブマーケティングにおける顧客側と経営側の双方を体験するワークショップを実施。顧客側では「肩こりに悩む会社員が、インターネットで鍼治療院を探す際にどのようなキーワードを検索するか」、経営側では「鍼治療院のホームページに必要な情報はなにか」について、生徒間で意見を交流し、発表した。

 講師たちは、「場面を具体的に考えることが自然とできている」と話し、生徒たちの発想力を高く評価。「一つのキーワードを掘り下げて考えると、さらなる顧客理解につながる」と伝えた。

 質疑応答の場面では、生徒が「マーケティングでは、顧客層をどのように設定するとよいか」と質問。講師は顧客層を決定する過程を説明し、「一度決めたものでも、アンケートなどで顧客の意見を聞き、試行錯誤を重ねることも大切」と回答した。

 授業を見守った坪川寛司教頭は「現在の情報化社会の仕組みや多様な働き方を知る上で、とてもよい機会になった。生徒たちには、卒業後の職業生活にも今回学んだことを生かしてほしい」と話していた。

(学校 2021-10-07付)

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