旭川第三小 ICT活用した指導研究 主体的で深い学び実現 相違する意見から考え広げ
(学校 2021-10-07付)

 【旭川発】旭川市立旭川第三小学校(三木勝仁校長)は、旭川市教委による市教育実践推進事業の指定を受け、1人1台端末を活用した指導方法に関する実践研究を進めている。端末を活用した指導力向上を図るため、実技研修や授業参観、実践レポート交流などを計画的に実施。あす8日にオンライン開催される道国語教育研究大会上川・旭川大会に向けてロイロノートを活用した授業動画を公開し、研究の一端を披露する。

 旭川市教委は令和3年度市教育実践推進事業の実践指定校に、小・中学校計6校を選定。1人1台端末を活用した指導方法に関する実践研究を進め、端末を活用した授業実践やルール設定、校内研修の工夫などに取り組むこととしている。旭川第三小は、本年度新たに実践指定校に選ばれた。

 同校は、研究主題を「主体的・対話的で深い学びを実現する授業づくり~ICTを活用した“脱一律”“双方向性”のある学び合い」と設定。1人1台端末を活用した学び合いの形について研究を深めている。

 昨年2月から1人1台端末が整備されたものの、教師、児童の基本的な扱い方の習得や、授業での円滑な活用に課題があったことから、具体的な実践を展開。①授業を見合う会を年に4回実施し、端末を効果的に活用した学習活動の工夫について交流する②校内研修において、健康面への配慮を含めた校内でのルールを具体化し、全職員の共通理解を図る③端末を使った授業での指導方法などについて、実技研修を随時行うとともに、1人1実践で作成する実践レポートの交流を年に6回行い、教職員のスキルアップを図る④実践内容や成果について、動画配信クラウドなどを活用して市内小・中学校に還流する―の4つの内容に取り組んでいる。

 事業を進めるに当たり、各学年で4種類の学習アプリケーションのモデリングを行い、効果等を検証。うち、3・4年生は授業支援クラウド「ロイロノート」の検証を進めている。

 実践研究を進める教務部長の髙橋孝明教諭は、ロイロノートを授業で活用するメリットの一つに「教科のねらいに即した主体的で深い学びの実現」を挙げる。

 児童の提出物をタブレット上で見合うことができる共有機能の活用によって、自分と違った意見から考えを広げたり、自分の意見をより深めたりすることが可能に。コロナ禍で交流が制限される中でも対話的な学びが実現し、深い学びにつながっているという。

 また、主体的に学ぶ態度として、国語科ではよりよい表現を目指す粘り強さが求められる。これまで、原稿用紙の文章を書き直す作業などに困難を覚え、文章表現や構成の工夫に拒否感を示す児童が多くいたが、端末上では文章の修正やスライドなどの構成の組み換えが容易に行えるため、表現の質的向上に向かう姿が多くみられるようになったという。また、粘り強く表現を工夫した過程を記録し、評価に生かすことができるメリットも挙げた。

 一方で髙橋教諭は、ICT活用の課題として「鉛筆で字を書く経験の不足」を懸念する。特に低学年の段階では「筆圧に気を付けて紙に丁寧に書く経験が必要」と考えることから、活動のねらいに応じてノートとの使い分けを図っている。アナログの良さを補完し、教科のねらいを達成できる場面でデジタルを活用していきたいと考えている。

(学校 2021-10-07付)

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