函館市いじめ防止対策審議会対策部会　中学校集会　５校１組で　小学校いじめ認知件数減少

（市町村 2021-10-11付）

委員１０人が出席し、いじめ根絶に向けて活発に意見を交換した

　【函館発】函館市教委は６日、市役所で市いじめ防止対策審議会いじめ防止対策部会を開いた。いじめ・不登校等対策推進事業のうち、いじめ等の問題について考える中学校集会は、本年度から新たにグループごとの開催を検討。本年度は５校をオンラインで接続し、数年単位で全市立中学校に取組を派生させる方向性を確認した。いじめに関する協議では、前年度の小学校の認知件数が減少したことが報告された。

　開会に当たり、永澤篤学校教育部長があいさつ。「新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着いているものの、学校現場では依然として様々な制約がある。各校には差別やいじめが発生しないよう、一人ひとりに寄り添ったきめ細かな対応を」と求めた。その上で、「全国ではいじめに関する痛ましい事案が発生しており、どの学校においても起こり得ることを学校、家庭、地域がしっかりと認識するとともに、すべての関係者が役割を果たし、ささいなことでも見逃すことなく一体となって取り組む必要がある」と呼びかけた。

　本年度のいじめ・不登校等対策推進事業に関する協議では、いじめ等の問題について考える集会（小学校集会）を１１月１日に大森浜小学校、柏野小学校、北星小学校、中部小学校、中島小学校、えさん小学校の代表児童と学校教職員、保護者などを対象にオンラインで開催することを確認した。

　また、本年度から中学校集会を５校のグループで数年かけて実施する検討事項を示した。本年度は５校が、１２月１７日にオンラインで行う予定。

　委員から「子どもが他校の生徒とつながりを深め、大人が様子を見守っていきたい」との意見があった。

　いじめ等に関する協議では、事務局が令和２年度のいじめの認知件数について報告。小学校は減少し、中学校は例年と変わらない状況であることを示した。発生したいじめの内容については、ほとんどが解決しており、いじめ発見のきっかけについては、「アンケートによる発見」が最多だった。

　いじめの内容については、「冷やかしやからかい」「悪口や脅し文句」「嫌なことを言われる」が小・中学校ともに最も多かったとし、「外見的にはからかいやけんかのようにみえることでも被害を感じた児童生徒の言動に着目する必要がある」との考えを示した。

　小学校で認知件数が減少した要因については、「いじめ見逃しゼロを目指した啓発ポスターやあいさつ運動などを各校が実施しており、取組の成果につながったのではないか」と分析した。

　いじめ見逃しゼロに向けた協議では、「人権教室などによって、子どもたちのいじめ撲滅に対する意識を高めていければ」「子どもたちの置かれている環境はストレスが多いのではないか。家庭環境などによっては、話を聞く時間がないこともある」などの意見が挙がり、地域と学校、家庭の連携強化に向けて、意識を高めた。

(市町村 2021-10-11付)