道教委　新任指導主事等資質向上研修　みえにくい数値にも目を　国語授業改善で樺山准教授

（市町村 2021-10-21付）

道民の期待に応える指導主事の心構えを伝えた

　道教委は１５日、札幌市内の道第２水産ビルで新任指導主事等資質向上研修をオンライン開催した。大妻女子大学家政学部児童学科の樺山敏郎准教授が国語科における授業改善の視点について講演。学校図書館を活用した授業実践「南綾瀬モデル」や、単元の見通しを可視化した学びの地図を紹介した。

　新学習指導要領の趣旨および令和の日本型学校教育の実現に向け、新しい時代の教育に求められる指導主事としての資質・能力の向上と、新任指導主事間の連携強化を図ることがねらい。集合・オンラインの複合形式で約５０人が参加した。

　はじめに、樺山准教授が「国語科における深い学びの視点からの授業改善～全国学力調査にも対応できる国語科授業」と題して講演。道内の児童生徒の課題として、文章を正確に読み取り理解する読解力と文章で適切に表現する記述力の不足を挙げ、正答率の低い難しい問題ほど無回答が多い現状を指摘した。

　文部科学省の教育課程調査官を務めた経験を踏まえ、子どもの成績と成長に関する一定の成果を示し、道民の期待に応えることが教育行政に携わる者の責務と強調。調査で測ることができない子どもたちの「学びに向かう力」を丁寧にみとるよう呼びかけ「学力のみならず、みえにくい数値にも目をこらし、バランスよく考える指導主事になってほしい」と求めた。

　学校図書館を活用した授業実践として、東京都内小学校の南綾瀬モデルを紹介。教科書と選択図書をつなぐ共通図書を活用し、導入・習得・活用・探究の４段階で情報を比較・関連付ける力や考え方を伝える力を育てる事例を示した。

　このほか、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて単元の見通しをイメージ化した学びの地図を紹介。課題や目標の確認、思考モデルの提示など課題解決のプロセスなど単位時間の流れを示した。

(市町村 2021-10-21付)