旭川市教委　いじめ事態対応　近く関係者聴取開始　節目の情報提供に努める

（市町村 2021-11-02付）

　【旭川発】旭川市教委は１０月２９日、今津寛介市長に対し、いじめの重大事態にかかる調査についての依頼事項への対応を報告した。今津市長が要望した年度内の最終報告について、現段階では明確な時期を示すことは難しいとする一方で、「事実認定にかかる調査の終了時など、節目における情報提供に努める」と説明。関係者へのヒアリングについては、１１月上旬に関係教職員への聞き取り調査を開始する見通しなどを伝えた。

　市教委は、ことし３月に市立中学校の女子生徒が亡くなった事案を重大事態と認定。第三者委員会として、弁護士、小児科医、大学教授、臨床心理士などで構成する市いじめ防止等対策委員会を開き、事実関係等を調査している。

　１０月８日には、第２回総合教育会議を開催。今津市長、黒蕨真一教育長、教育委員らが出席し、いじめの重大事態にかかわる対応の経過やいじめ防止にかかわる取組状況、今後の方向性などを協議した。

　今津市長は対策委員会に対して、①スピード感をもった丁寧な調査の実施②遺族等と連携し、遺族に寄り添った１０月中の中間報告および定時報告の実施③可能な限り年内、遅くても年度内の最終報告の実施④関係する児童生徒、教職員、教委職員に対するヒアリングの速やかな実施―の４点を依頼。

　これに対し市教委は２９日、対策委員会への聞き取りによる確認事項を報告した。

　①については、これまで多角的かつ慎重に協議を進めてきており、調査の準備が整ってきたことから、「今後、スピード感をもって調査を進めることができる状況」と説明。今後も遺族等と連携しながら調査等を進める意向を示した。

　②については、１０月に遺族側からの要望の聴取や調査方法等の協議を実施して遺族側の意向を把握したことから、引き続き、遺族とのコミュニケーションを重視しながら調査に取り組むことを確認。

　調査結果やいじめの認知にかかる報告などが公表できるまでには「しばらく時間がかかる」と伝えるとともに、定時報告については「対策委員会の会議後における概要説明や調査の進ちょく状況等について、随時伝える」と報告した。

　③については、調査等を通じて新たな情報が得られる可能性があることなどから「現段階では、最終報告の明確な時期などを示すことは難しい」とした上で、１日も早く最終報告ができるよう調査を進める意向を示した。

　情報発信については、事実認定にかかる調査の終了や、いじめに関する事実関係の検証など、節目における情報提供に努めるとしている。

　④について、「１１月上旬には関係する教職員への聞き取り調査を開始するとともに、学校関係の児童生徒へのアンケート調査のめどが立った」と説明。そのほか、関係する児童生徒、教委職員に対するヒアリングにも順次着手していくことを伝えた。

(市町村 2021-11-02付)