旭川市教委 地域学校協働活動推進事業(市町村 2021-11-10付)
神楽中で地域と共に取り組んだ草取りの様子
【旭川発】旭川市教委が進める地域学校協働活動推進事業として、モデル地域で様々な活動が展開されている。旭川中学校(濱中昌志校長)では、地域からの要望に対して学校ができる取組を提案することで、中学生が「地域の担い手」としての意識を醸成するきっかけづくりにつながった。神楽中学校(江口貴彦校長)では、3年生の総合的な学習の時間の目標達成に向け、地域の市民委員会から困り事を聞いてコロナ禍でもできる活動を模索した。
旭川市教委は地域学校協働活動を推進するため、旭川中学校区、神楽中学校区、春光台中学校区の3地域をモデル地域に選定。年度内に地域学校協働本部を設置し、令和5年度までに活動を推進・検証しながら、他地域での導入へ準備を進めていくこととしている。
現在、モデル地域で次年度の本格実施に向けて試行的に取組を展開。市教委の社会教育主事らがコーディネーターの役割を担い、地域と学校をつなげている。
◆認知症サポーター育成へ取組推進
旭 川 中
市内の地域包括支援センターでは、認知症の人や家族を支援する認知症サポーターを育成する取組を推進。中学生にも地域における見守りの担い手になってもらおうと、出前講座などを実施している。
このような中、東旭川・千代田地域包括支援センターが、日常的に連携・協働している旭川中で、世界アルツハイマーデーの9月21日に合わせた講座の開催を提案。しかし、学校では年度途中にカリキュラムを変更して講座を開催することが困難な状況にあった。
同校とセンターによる「中学生が地域の担い手に」との共通の思いを実現するため、学校ができる新たな実施形態を模索。「できない」で終わらせず、代替案を提案することで、学校と地域がウインウインの関係となる取組につなげた。
学校が提案したのは、「給食の時間に、1人1台端末を活用して全校生徒に説明する」形態。センター職員が来校し、校長室を拠点にオンラインを通し説明した。
センターのPRとともに、認知症への理解を深める講話を発信。「認知症の人に出会ったときはセンターに連絡」など、中学生に期待する役割を伝えた。
実施後のアンケートでは「保護者もセンターのことを知らないので、パンフレットを見せたい」などの感想が。地域の担い手として行動する意識が芽生えはじめる様子がうかがえた。
◆地域の困り事を学習活動で解決
神 楽 中
神楽中3年生は、総合的な学習の時間で「地域へのかかわりや関心をもち、社会人としての自覚のきっかけをもつ」ことを目的に、施設を訪問する活動を展開している。
ことしはコロナ禍で施設を訪問できない状況だったが、中止せずに実現可能な方法を検討。「中学生が直接地域に出て、地域の困り事について一緒に活動する」形態をとることで、中学生が地域を好きになるきっかけづくりにつなげた。
地域の課題を把握するため、神楽中が所在する高野市民委員会に相談。除雪と道路の草取りに困っていることを知り、活動時期を考慮して草取り作業を行うことにした。
10月上旬、高野市民委員会の沼澤久仁一会長ら5人の地域住民の指導のもと、学校周辺の道路や地区会館の草取り作業を実施。沼澤会長は「今まで中学校とのつながりがあまりなかったので、一緒に活動できてよかった。これを機会に連携を深めたい」と話していた。
(市町村 2021-11-10付)
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