網走市教委管理職向け研修会 ICTで学校に変化を 新保理事長 必要性伝え
(市町村 2021-10-15付)

市教委管理職向けICT活用研修会
新保理事長

 【網走発】網走市教委は7日、市内のオホーツク・文化交流センターで管理職向けICT活用研修会を開いた。市内小・中学校の校長、教頭、主幹教諭28人が参加。特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長が講演し、学校全体をICTで変えていく必要性などを示した。

 1人1台端末を活用した授業改善の在り方や、学習の質を一層高めるための指導方法などに関する研修を通して、市内小・中学校におけるICT教育の充実を図ることが目的。

 岩永雅浩教育長は開会あいさつで、市が「関係人口創出」「市民サービス」「行政運営」にデジタルファーストで取り組む宣言をしたことにふれ、学校のみならず社会活動でもICT活用が進んでいることを紹介。反面、「活用方法が蓄積されているわけではなく、私たちも手探りで活用している状況。学校現場も同様に、実践が少ない中で活用について苦慮されていると思う」と述べた。

 研修会について、「各校の管理職と教育委員会が共に学び合い、理解を深めていくことで“チーム学校”“オール網走”でICT活用の機運を高め、各校の教員の主体的なかかわりを導くことができるのでは」と期待した。

 新保理事長は「新しい時代に進化する学校づくり」と題して講演。

 GIGAスクール構想の概要を示しながら、構想のねらいにふれ、「GIGA〝授業”構想ではなく、GIGA〝スクール”構想。授業だけではなく、学校全体をICT活用で変えていく必要がある」と強調。「国が大きな弁当箱(ハード)を用意してくれた。その中身をつくっていくのは学校」と述べた上で、ICTなどのイノベーションによって、効率的・創造的な活動が実現できることを示した。

 反面、セキュリティやネットトラブルなどの危険性も潜んでいるが、「使わなければ何も変わらない」と話し、ネットモラルの育成に家庭、学校で取り組んでいく必要性も示した。

 また、「小さな学校や町にこそ価値がある」と指摘。オホーツク管内は面積当たりの学校数が少なく、学校同士の距離が離れている特徴がある。それを生かした遠隔合同授業など、ICT活用の可能性が広がっていることを話した。

 さらに、東京都と道内の小学校2校の実践事例を紹介。ノートや教科書など既存の道具と併用し、選択肢の一つとしてICTを活用している姿などを示した。

 最後に、「必ずしも、研究会レベルのような〝派手な幕の内弁当”をつくる必要はない。毎日つくるシンプルでも栄養満点の弁当のような、日常が少し良くなる取組が大事」と呼びかけた。

 また、「教委の指示を待って、校長会で足並みをそろえて一歩ずつ進むというやり方では恐らく間に合わない。やれることはどんどんやってみる、試してみる。その内容をオープンにして定着させていくことが大切」と述べた。

(市町村 2021-10-15付)

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