網走市東小 公開研究会で3授業 学び合い見通しもたせ 6年社会 江戸幕府の政治(学校 2021-10-21付)
渡邊教諭による6年生社会の授業
【網走発】網走市立東小学校(大西篤校長)は8日、同校で公開研究会を開いた。市内小・中学校の教諭ら約50人が参加。研究主題「主体的に考え、みんなで学び合う児童の育成~かかわりの充実から深い学びへ」のもと、3授業を公開。6年生の社会では、大名行列の概要や理由について江戸幕府の政治と関連付けて考えさせ、次時以降の学習への見通しをもたせる授業を展開した。
同校は、研究主題の内容を①主体的な学び②協働的な学び③深い学び―の3つの観点に分け、研究を進めている。それぞれの観点における目指す児童の姿に迫るため、具体的手立てを各教員が考察し、日常授業の中で意図的・計画的に実践している。
各観点の目指す児童の姿に、主体的な学びでは「興味・関心をもつ」「見通しをもつ」「粘り強く考える」「学習活動を振り返る」、協働的な学びは「多様な他者と協働」「他者を尊重」、深い学びでは「視点や思考を働かせて理解」「情報を精査し問題を解決」「思いや考えをもとに創造」を位置付けた。
3年生道徳、6年生社会、特別支援学級の4年生算数の3授業を公開。うち、6年生社会「幕府の政治と人々の暮らし」(児童数6人)は、渡場陸教諭が指導した。
単元では、「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力」を重点的に育成する資質・能力に設定している。本時は6時間扱いの1時間目。単元の導入に当たるため、目標は「大名行列の意味と江戸幕府との関連を多角的にとらえ、江戸幕府の政治の仕組みや暮らしの厳しさ、目的について学習問題をつくり、学習の見通しを立てる」とした。
渡場教諭は導入で、加賀藩の大名行列の様子を描いた資料を提示し、資料から読み取れそうな情報や特徴がないか問いかけた。1人1台端末を活用し、電子ホワイトボード・Google Jamboardに資料から読み取った情報を入力させた。
「大勢で移動している」「箱のようなものを運んでいる人がいる」など、挙がった意見を共有した上で、「大名行列について調べよう」とめあてを示した。
教科書を読み、大名行列の概要を全体で確認したあと、大名行列にかかる人数、日数・距離、費用を調べる活動へ。渡場教諭は、Google Jamboardで作成した資料を提示した。資料には、「人数」「費用」などと記したリンクを添付。クリックするとウェブページが開き、調べたい情報にたどり着けるようにした。
資料で調べた内容をもとに、Xチャート、クラゲチャートなどの思考ツールを用いて情報をまとめさせた。使用する思考ツールを自由に選択させることで、情報を精査し問題解決を図ることができるようにした。
各グループでまとめた情報を交流し、大名行列が負担の大きいものだったことを確認。その上で、「大名は、なぜ大名行列の命令に従ったのだろう」と課題を示し、大名の視点に立って利点や問題点を考えさせた。
全体交流では、児童の意見を問い返すことで、「褒美があるから」「従わないと殺されるかもしれない」など江戸幕府の政治と関連付けた予想を引き出し、次時以降の学習内容への見通しをもたせた。
授業後は、低学年、高学年、特別支援の3部会に分かれて研究協議を実施。Google Jamboardを活用して授業内容について意見を交わした。
高学年部会の助言者を務めた特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長は、渡場教諭の授業について、「スクリーン、板書、端末など、教室内に様々なツールがある中で、児童がしっかりと見るべきところに注目てきていた」と評価した。
授業内容については、「資料から気付いたことを考えさせて課題に迫るという、シンプルな構成でもよかったのでは」と指摘。大名行列に藩同士の見栄の張り合いの意図もあったとする見解資料を紹介し、「いろいろな視点から事実をみてみるところに社会科の面白さがある」と話した。
(学校 2021-10-21付)
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