上川局 ICT活用プロジェクトIPPO 全員の1歩へ取組開始 新保氏が講話 成功事例紹介(道・道教委 2021-10-26付)
新保理事長がオンラインで講話した
【旭川発】上川教育局が新たに立ち上げた管内ICT活用促進事業「プロジェクトIPPO」のキックオフミーティングが11日、上川合同庁舎を拠点にオンライン開催された。チーム構成員や市町村教委職員など約40人が参加し、事業推進に向け協議を開始。また、特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長が講演を行い、授業改善にとどまらず日常的にデジタル化に取り組むことの重要性を指摘し、全員の一歩をつなぐ地域ICT推進リーダーの役割に期待を寄せた。
市町村・学校間におけるICT環境の整備・活用状況の差などに課題がある中、管内では本年度から全道で唯一、授業改善推進チーム活用事業における先駆的モデルとしてICT端末活用チームが旭川市に配置されている。このため上川局は、ICT活用を促進して優れた実践を発信しようと、ICT端末活用チーム4人を含めた23市町村立学校教員による地域ICT推進リーダー30人と上川局指導主事で構成するプロジェクトチームを編成した。
合言葉“1人の100歩から100人の1歩へ”のもと、児童生徒の情報活用能力向上やICTを活用した授業改善を図るため、日常的に情報共有できるネットワークを構築。全教員がICT活用の特性を踏まえた授業を構築できるよう、研修会を実施する。
冒頭、河野秀平局長があいさつ。「推進リーダー教員と市町村教委との連携を一層深め、取組事例を全道・全国に発信できるよう共に取り組んでいきたい」と期待した。
続いて、義務教育指導班の鎌田隆仙主任指導主事が事業説明。本年度の達成目標として、日常的に「全児童生徒が画像・動画を端末で撮影・送受信し、学習で活用することができる」「全教員が送信された画像・動画を授業改善・学習評価に生かすことができる」を掲げていることを伝えた。
目標達成に向け、推進リーダーには①地域の情報収集・現状把握②目標の周知③目標にかかる取組を効果的に取り入れた授業についての情報提供④授業改善に向けたICTの効果的な活用にかかる地域の実態に応じた研修会の実施―の4点を求めた。
つぎに、ほっかいどう学推進フォーラムの新保理事長が「学校のDX(デジタルトランスフォーメーション)の今と未来~みんなでIPPOの背景を考える」と題して講話。3校の事例からGIGAスクールの現状を紹介した上で、学校がデジタル化に迫られている背景などを説明した。
事例紹介から、成功しているGIGAスクールの共通点として、「一斉授業のICT化から授業改善している」「学校の日常を改善している」「会議よりも実践から合意を得ている」ことなどを紹介。より簡単で日常的・継続的なICT活用に向け、それぞれ差があるICT環境に使い手のアイデアを加えることの重要性を示した上で、「苦手な人と得意な人、管理職・一般教員、教委、保護者・地域などをつなぐのが皆さん」と推進リーダーの役割を期待した。
また、人口減少による人手不足や令和の日本型教育の実現など、山積する課題を解決するためには、授業改善にとどまらず学校そのものをシンプルにするための改革が必要と強調。「これまでの時代は1人のエースを育ててみんなで追いついていく時代だったが、これからはみんなで力を合わせて進む時代」とし、「100人の1歩」モデルへの変換の重要性を示した。
このあとの協議では、各地域や学校の現状・課題を交流し、地域のICT活用推進に向けてできることを考えた。
(道・道教委 2021-10-26付)
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