第７３回全国造形教育研究大会北海道大会・第７０回全道造形教育研究大会札幌大会　分科会提言④中学校

（関係団体 2021-11-10付）

◆振り返りで新たな気づき　附属釧路義務教育学校後期課程

【発表概要】

▼発表テーマ＝「協働的な学び」がもたらす「わたしの更新」を目指した授業のあり方について

▼発表者＝更科結希教諭（道教育大学附属釧路義務教育学校後期課程）

　協働的な学びによって表現できる活動を取り入れるために工夫してきたことや、複数名で取り組む活動において、振り返りが新たな気づきや自他のよさをみつめるきっかけになった事例を紹介する。

【活動構成】

視点②「もっと！」が連続する活動構成

A：生徒の実態を把握し、題材を通した学習課題を設定する

B：協働での学びが必要となる学習の内容とする（分担ではなく、様々なアイデアをもち寄り練り上げていけるもの）

C：互いの意見を共有できる場面や方法（ICTの活用）を用意する

視点③「もっと！」をつなげるための自他の変容をとらえる振り返り

A：本時の学習内容や学級で共有した学習事項を踏まえ、振り返りを行う（視点②―Cとの連動）

B：前時の振り返りを見直し、本時の活動が行えるようにする

C：毎時の振り返りを連続して見直し、題材を通した学びについて考える時間を確保する（題材を通した自己の変容を自覚する時間）

事例①

▼中３「Visual　Illusion　２０２１」

▽学校を異空間にしてみよう

・場所の選定

・テーマ

・錯覚の種類

・見る人の視点に立ち表現

・人×校舎×仕掛け、撮影

・TLでの振り返り―毎時の振り返り―題材を通した振り返り

事例②

▼中１「フチュウブル美術館」

▽もし、美術館の学芸員になったらどんな展示をする？

・海外研修（Google　Ａｒｔｓ　＆　Ｃｕｌｔｕｒｅ）

・学習課題～コントラストの視点

・作品の選定

・展示テーマの立案

・展示室内の計画と配色

・組み立て

・鑑賞―毎時の振り返り、計画の蓄積―題材を通した振り返り

【実践を振り返って】

▼学習課題の解決のために、グループの中でテーマを設定し、計画立案を経験させ、表現につなげていくことによって、「もっと！」が連続する題材になっていく

▼協働における表現活動における、表現の追求にどのような教師のかかわりが最適か探る必要がある

▼実践してきた題材に、ICTを取り入れることによって効率よく共有や協働が図られるため、様々な事例で挑戦していきたいと考える

(関係団体 2021-11-10付)